第99話 リィンとエマ、再会せし暗殺者と歌姫
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「私のターゲットはその男だけだ、邪魔をするなら命乞いしても殺す」
「そんな脅しで逃げません!私だって覚悟してここにいるんです!」
「なら共に死ね……」
銀と俺達が今まさに激突しようとしたその時だった。
「あらあら、私の可愛い妹を殺されたら困るのよね」
「えっ……」
突然綺麗な女性の声が聞こえてその声を聴いたエマが驚いた表情を浮かべる。そして銀の近くに魔法陣が現れてそこから蒼いドレスのような衣装をまとった女性が姿を現した。
「久しぶりね、エマ」
「ね、姉さん……!」
エマはその女性を姉と呼んだんだ、まさかエマの家族なのか?
「エマ、あの女性は君の姉なのか?」
「実の姉ではありません、お婆ちゃんに引き取られてお母さんとも共に魔女として修行した弟子の方です。私も実の姉のように慕っていました」
エマは俺にあの女性について教えてくれた、要するにエマやイソラさんと同じ魔女という事か。
「なんのつもりだ。お前は見ているだけと言っただろう?」
「私の妹を殺すと聞いて黙ってみてはいられなかったの。貴方こそターゲットはそこの男の子でしょう?」
「邪魔をするなら殺すと忠告はした。従わないならそいつが悪い」
女性は銀に圧をかけながら俺の方に視線を向ける、だが銀は臆することなくそう返した。
「そういえば貴方とは初対面よね。私はヴィータ・クロチルダ。エマと同じ魔女で彼女の姉代わりをしていたの」
「あっ、ご丁寧にどうも。リィン・クラウゼルです。エマにはお世話になっています」
「なに呑気に返事を返してるのよ!」
自己紹介するとセリーヌが怒ってきた。つい返事を返してしまった……
「ヴィータ!あんた、巡回魔女としての使命を放棄して今までなにをしていたのよ!エマがどんなに心配したか分かってんの!?」
「あらあら、相変わらず騒がしい子ね。姉妹の再会に水を刺さないで頂戴」
「ぐっ、本当にムカつく女ね……!」
セリーヌが怒りながらそう言うがヴィータと呼ばれた女性は何処吹く風といったように流していた。
「……ひとつ聞かせてくれ。貴方は結社の関係者なのか?」
「ええそうよ。これでも蛇の使徒の第ニ柱を任されてるわ」
「大物じゃないか!」
「姉さんが結社の……」
俺は蛇の使徒であることを知り驚愕する。銀と普通に話せていること、この場に現れたことで結社の関係者なのは察していたが……
「じゃあこのリベールで暗躍してる執行者たちに指示を出しているのは貴方なんですか?」
「それは違うわ、今回の計画は私が最も嫌う男が担当してるの。私は別の計画の……コホン、ちょっとお喋りが過ぎたわね」
俺はこのリベールで洗
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