第3話 状況説明
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凄まじい光で思わずに瞼を閉じることで光が直接目に入ることを防ぐ。ざわざわと騒がしく聞こえてくる声に気配を感じて目を開けると同時に周囲の状況を把握後、警戒を高める。
まず目に飛び込んできたのは巨大な壁画。縦横十メートルはありそうなその壁画には、後光を背負い長い金髪を靡かせてうっすらと微笑む中性的な顔立ちの人物が描かれていた。背景には草原や湖、山々が描かれ、それらを包み込むかのように、その人物は両手を広げている。客観的な観点で見れば美しい壁画だ。素晴らしい壁画だ。たが、俺の視点からみれば、汚物にも劣るゴミのような壁画だ。
周囲をよくよく見てみると、どうやら俺たちは巨大な広間にいるらしいということが分かった。素材は地球の大理石と同じ鉱物だろう。キラキラと美しい光沢を放つ滑らかな白い石造りの建築物みたいで、これまた美しい彫刻が彫られた巨大な柱に支えられ、天井はドーム状になっている。
地球の大聖堂という言葉が自然と思い浮かぶような荘厳な雰囲気の広間である。
どうやら俺たちはその最奥にある台座のような場所の上にいるようだった。周囲より位置が高い。周りには俺と同じように呆然と周囲を見渡すクラスメイトたちがいた。
どうやらあの時、教室にいたクラスメイトたちは全員この状況に巻き込まれてしまっているようだ。俺はチラリと背後を振り返る。
そこには俺と同じく周囲を見渡すハジメや、呆然としてへたり込む白崎、詩織の姿があった。ハジメも白崎、詩織たちも怪我していないようで、ホッと安堵から胸を撫で下ろす。
そして、おそらくこの状況を説明できるであろう台座の周囲を取り囲む人達への観察を見る。そう、この場所には俺たちだけではない。少なくても30人前後の人間が、俺たちが乗っている台座の前にいた。
そしてその人たちは、まるで祈りを捧げるように跪き、両手を胸の前で組んでいた。彼らは一様に白地に金の刺繍がされた法衣のようなものを纏い、傍らに錫杖のようなモノを置いている。その錫杖は先端が扇状に広がっており、円環の代わりに円盤が数枚吊り下げられていた。
その内の1人、法衣集団の中でも特に豪奢で煌びやかな衣装を纏い、高さ三十センチ位ありそうなこれまた細かい意匠の凝らされた烏帽子のような物を被っている七十代くらいの老人が進みだした。
まあ、もっとも、老人と表現するには纏う覇気が強力すぎる。顔に刻まれた皺や老熟した目がなければ五十代位と言っても通るかもしれない。そんな老人は手に持った錫杖をシャラシャラと鳴らしながら、外見によく合う深みのある落ち着いた声音で俺たちに話しかけてきた。
「ようこそ、トータスへ。勇者様、そしてその御同胞の皆様方。歓迎致しますぞ。私は聖教教会にて教皇の地位に就いておりますイシュタル・ランゴバルドと申す者。以後、宜しくお
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