第3話 状況説明
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メイトたち。
「みんな、今ここでイシュタルさんに文句を言っても意味がない。彼にだってどうしようもないんだ。…………俺は、俺は戦おうと思う。この世界の人たちが滅亡の危機にあるのは事実なんだ。それを知って、放って置くことなん俺にはできない。それに、人間を救うために召喚されたのなら、救済さえ終われば帰してくれるかもしれない。…………イシュタルさん?どうですか?」
「そうですな。エヒト様も救済主の願いを無下にはしますまい」
「俺たちには大きな力があるんですよね?ここに来てから妙に力が漲っている感じがします」
「ええ、その通りです。ざっと、この世界の者たちと比べると数倍から数十倍の力を宿していると考えていいでしょうな」
「うん、それなら大丈夫だ。俺は戦う。人々を救い、皆が無事に家に帰れるように。俺が世界も皆も救ってみせる!」
天之河の宣言に絶望していたクラスメイトたちが活力が戻ってくるような気がした。そして天之河の宣言を聞いて坂上が立ち上がる。
「へっ、お前ならそう言うと思ったぜ。お前一人じゃ心配だからな。……俺もやるぜ?」
「龍太郎……」
「今のところ、それしかないわよね。……気に食わないけど……私もやるわ」
「雫……」
「え、えっと、雫ちゃんがやるなら私も頑張るよ!」
「香織……」
天之河の幼馴染たち全員が天之河に賛同する。そして天之河の考えに流される形でクラスメイトたちも俺も!私も!と賛同していく。その流れを見て畑山先生がオロオロとしながら静止の声を上げている。涙目で。
「さて……どうしたものか……」
俺は師匠の教え通り周囲の流れに流されないように冷静に勤める。そして俺の戦う理由は俺の平凡な毎日を過ごすこと、それには……ハジメ、白崎、詩織の3人は俺に出来る限り守ることだ。
「へー、光牙君も、戦争に参加するのに反対?」
隣から突然、囁かれたことに驚いていると、詩織が小さく微笑んでいた。
「そもそも戦争に参加するのに賛同、反対以前にこの世界の情勢について不明すぎる。イシュタルの爺さんの話だけ聞いてすべてを決定したのは早計すぎる」
「ああ………………それは……確かに。天之河君はあの教皇さんの話しに疑いすら抱いていないみたいだしね」
確かに天之河の宣言は早計過ぎる。俺は元エンブリオ持ちゆえに実戦を経験しているので、天之河を含めたすべてのクラスメイトたちは甘すぎる。
「何よりも天之河を含めた戦争に参加に賛同した奴らに覚悟があるとは到底思えない。敵、生き物の“命”を奪うということが……どういうことになるのか、それ以前に、そのことを理解してるかどうかすら怪しいがな……」
「なんか光牙君は………まるで、実戦を仕方があるような言い方だね?」
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