第七百八十二話 トム達と海賊その四
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「貴族っていうとね」
「そんなのなんだよね」
「もうやりたい放題で」
トムに連合で言われている『現実』を話した。
「徹底的に搾り取って」
「贅沢三昧でね」
「私腹を肥やしてるのよね」
「重税を課してね」
「そこからさらに搾取して」
「民衆をいじめてだよ」
トムも忌々し気に話した。
「やりたい放題だよ」
「まさに悪代官ね」
「そうだよ」
「中国の武侠ものでも出るのよね」
蝉玉は祖国のそうした作品の話をした。
「悪い役人とか悪徳商人とか」
「いるよね」
「それでね」
「エウロパ貴族がまさにそれで」
「その貴族共からね」
「連合から来た海賊が成敗する」
アウトローの彼等がだ。
「民衆から搾取したものを奪い返す」
「そして連合にもたらすのよね」
ペリーヌはお約束の展開を話した。
「祖国にね」
「そうそう、エウロパ貴族と敵対するね」
「私達にね」
「あそこの民衆ってね」
トムは何故搾取されている彼等に海賊達が奪われたものを渡さないかを話した、連合ではエウロパの平民達も敵視の対象なのだ。
「無力で馬鹿だから」
「貴族に従うだけでね」
「それだけだからね」
「奪われたものを返してもね」
「同じだから」
また搾取されるからだというのだ。
「それでそうした作品だとね」
「連合に渡して」
「そしてだよ」
「正しく使われるのよね」
「あんな連中に戻すより」
連合の考えではだ。
「もうね」
「連合が使う」
「付け届けに使った方がね」
連合では礼儀の一つだ、賄賂との境界は曖昧である。
「ずっといいよ」
「そうよね」
ペリーヌもその通りだと頷いた。
「本当に」
「全くだね」
「そしてね」
さらに言うのだった。
「そうした海賊ものがね」
「人気なのよね」
「ずっとね」
「連合だとね」
「海賊って今もね」
宇宙海賊もというのだ。
「辺境外縁部にいたのはならず者達ばかりだったけれど」
「ロマンあるわね」
「だからね」
それでというのだ。
「僕もなろうってね」
「決めたんだね」
「ただ人は殺さないし傷付けない」
笑ってこうも言った。
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