暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
XV編
第236話:内外の戦い
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に落ちるチャリンと言う音が響いた。颯人が知恵の輪を解いたのだ。ヘリの機内はエンジンとローターの音で喧しく、こうして話すのも一苦労なのだが颯人が解いた知恵の輪が床に落ちる音は驚くほど鮮明に響達の耳に入った。その音に釣られるように響達が颯人の方を見れば、彼は床に落ちた知恵の輪を回収し帽子を被り直していた。
何時になく大人しい颯人の様子に響達が注目していると、当の本人は仲間達に視線を向け目を瞑り小さく肩を竦めた。
「そう気にしなさんな。ちょっと気合入れてただけだ」
「知恵の輪を解く事がか?」
「ちょっとした気合入れさ」
そう言って颯人が新しい知恵の輪を取り出し、それを片手で包んだ。クリスが見ている前で颯人が軽く知恵の輪を握る手を動かすと、今度は一気に知恵の輪が外れて床に落ちた。
床に落ちる知恵の輪を、颯人と響達の視線が追いかける。その直後、耳に装着したインカムにあおいの声が響く。
『間も無く現着です!』
『よし! 装者および魔法使いは全員降下用意!』
「「「「「!!」」」」」
あおいの声に続き耳に入った弦十郎の言葉に、颯人達の表情が一気に引き締まる。そしていの一番に颯人が扉に手を掛け勢いよく開けると、隣のヘリでもガルドがヘリの扉を開けていた。扉を開いた瞬間颯人とガルドの目が合い、無言で頷き合うと後ろから響達が外を覗き込んでくる気配を感じながら眼下の光景に目を向ける。
眼下にはまだ復興が進んでいない都庁周辺の光景が見える。復興が進んでいない為、都会のど真ん中であるにも関わらず都庁周辺は夜闇に包まれていた。少なくとも、昨日までは…………
今この時、都庁周辺は不思議な光に包まれていた。光の発生源はチフォージュ・シャトー。ジェネレーターが起動した影響からかシャトーからは光が放たれ、更にはその上部に浮かぶ蔦に包まれた胎児の様な繭が発光している為シャトー周辺はまるで夜のライブ会場の様に明るかった。
その明るいシャトーを見下ろしながら、颯人は左手の薬指に最強の力を発揮できる指輪を嵌めた。
「さて……悪いが今日は最初から全力を出させてもらうぜ」
そう呟き颯人はヘリから飛び降り、落下しながら空中で左手をハンドオーサーに翳してウィザードに変身した。
「変身ッ!」
〈イィィンフィニティ! プリーズ! ヒースイフードー! ボーザバビュードゴーーン!!〉
颯人は初手からインフィニティースタイルとなり、アックスカリバーを召喚してアックスモードで手に取るとそのまま落下の勢いを乗せた一撃を繭に叩き込む。
「ハァァッ!」
破壊に特化した一撃を得意とするアックスモードのアックスカリバーによる一撃。例え相手が強固な鎧を持つ魔法使いであろうとも大ダメージを与える事が出来るだろう。実際、胎児
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