ダチ
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も、他多くの命の上に蘇らせた母親にあの子を抱かせるつもりか?」
その言葉で、香子は顔を引きつらせた。
コウスケは深く息を吐き、声色を抑えた。
「お前たちがやるべきことは、聖杯の力で両親を生き返らせることじゃねえ! ひなが両親の死を認識したとき、ちゃんと立ち直れるように傍で支えてやることじゃねえのか!」
その言葉に、祐太と香子は押し黙る。
同時に、フロストノヴァも攻撃の手を一時的に止めた。
「……」
「……どうしたの?」
小さな声で問いかける香子。
フロストノヴァは、数秒目を閉じ、やがて手を下ろす。
「マスター。命令は、取り消せない」
「……令呪を使ったものね」
「私はビーストを倒すまで動く。マスターの心がどう動こうと」
「……」
「祐太。加賀」
氷の中、コウスケは続ける。
「お互いに参加者だったから、もしかしたら勘違いかもしれねえけど……オレは、ダチのつもりでいる」
『ドライバーオン』
獅子の咆哮がベルトから鳴り叫ばれる。実体を持ったビーストドライバーは、夕陽を反射して輝きを放つ。
「だから……」
冷える体も関係ない。
左手に獣の力を宿した指輪を装着し、コウスケは叫ぶ。
「ダチの間違いは、オレが止めんだよ!」
コウスケは左腕を高く突き上げる。左手を高く突き上げると同時に、窓から夕陽が射しこむ。
「変 身!」
両腕を回転させながら、コウスケが指輪をビーストドライバーの左側ソケットに装填させる。そのまま捩じることで、ビーストドライバーの門が開いた。
『セット オープン』
すると、金色の魔法陣がビーストドライバーより生成される。
『L・I・O・N ライオーン』
そしてコウスケが変身する、魔法使いビースト。
ダイスサーベルを手にしたビーストの体は、夕陽を反射し、赤く輝いていった。
「行くぜ……祐太、加賀、フロストノヴァ!」
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