ダチ
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こちらを向いた。
「コウスケ……」
「よ。この前は大丈夫だったか? ひな、怪我とかなかったか?」
「ああ。ありがとうな」
祐太は、どことなくぎこちなさそうな返事をした。
ハルトに続いて、どいつもこいつも元気ねえな。
そんなことを考えていると、コウスケは祐太の目線がコウスケの腰に移されていくのに気付く。
「……なあ、コウスケ」
「ん?」
「お前は、その……怪我とかしてないか? 魔法使いって、いつもあんな戦いしてるんだろ?」
「ああ、まあ……慣れたもんだぜ。一年以上も魔法使いやってるからな」
コウスケはそう言いながら、無意識に待機状態のビーストドライバーを撫でる。
「コイツは、前に遺跡探査に行った時に見つけてよ。オレの体の一部みてえになっちまったんだ。まあ、特に弊害とかも何もねえからいいんだけどよ」
「そうか」
聞いているのかいないのか。
祐太は、どことなく壁に対して会話しているような返事をした。
やがて、「そろそろ次のに行こう」と、祐太は切り出す。
「ああ、祐太。お前、通知見てねえの? 次の法学、休講になってるぜ」
「いいから、行こう」
「お、おい」
だが祐太は、静止するコウスケの言葉を聞き入れない。
ずんずんと歩み進めていき、やがて法学の講義の場所として指定されている大講堂へ向かっていく。
地上の入り口から、地下に向けて広がる講堂。休講となっている以上、今この場所に訪れる者はいない。
「おい、祐太。今日の法学は休みだっての。ここでぼっとしてても意味ねえし、適当に外行こうぜ」
だが、祐太は聞き入れない。
ゆっくりと階段を下り、講堂の中心で足を止めた。
「お前……昨日の話の時、何か隠してなかったか?」
「ん?」
明らかに様子がおかしい。
コウスケは口を紡ぎ、静かに聞き返す。
「何でそう思ったんだ?」
「昨日、あんなのに遭遇したんだ。それに……ここ最近の見滝原、おかしいことが起こりすぎてるだろ?」
祐太はじっとコウスケの顔を睨んだ。
「アマゾンにムー大陸に邪神イリス……魔法使いのお前が、何か知ってるって思わない方がどうかしてる」
「……それもそうか」
コウスケは頷いた。数秒頭を掻き、首を振った。
「悪ィ。巻き込みたくねえから、話せねえ……」
「殺し合い、してんだろ?」
「!」
その一言で、コウスケの顔が強張る。
「ああ。……それを知ってるってことは、まさか……」
「いや、俺じゃないよ」
その言葉とともに、示し合わせたかのように講堂のドア、祐太側のドアが開く。
そしてそこには、金色が現れた。
夕陽を反射して輝くそれ。
「加賀?」
「昨日お前たちが帰った後
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