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Fate/WizarDragonknight
ダチ
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「ふぁああ……」

 もしも今コウスケに欠伸をしたことを糾弾するものがいれば、なんて言い訳すればいいだろう。
 昼食後一回目の講義を終え、コウスケは空を見上げながらそんなことを考えていた。
 連日のフロストノヴァのマスター探しも成果がない。そもそも大学にマスターがいる前提から見直すべきではないかと思案していると、もはや見慣れた学生でない青年を発見する。

「お? ハルトじゃねえか!」

 ここ最近ずっと、ある教授の手伝いで大学に出入りしている大学の部外者。
 知り合いでなければ、通報とか必要だったのかなと微かに思いながら、コウスケはハルトの肩を叩く。

「よ。今日は結構早いじゃねえか」
「コウスケ」

 ゆっくりと振り向いた彼の眼差しに、コウスケは一瞬たじろいた。
 虚ろな目。
 昨日までの彼とはまるで別人かと思ってしまった。
 沈んだ目にも驚いたが、彼の外見を見て見れば、ボロボロの衣服が目に入る。

「お前、どうしたんだよその体!? あちこち傷だらけじゃねえか」
「……パピヨンと、決着をつけた」

 彼はそう言いながら、手を上げる。彼の手には、パピヨンが着用していた蝶のマスクが握られていた。

「……!」
「どれだけ追い詰めても、聖杯戦争への参加を諦めなかった。いつ、人へ手を出すかも分からないし……俺が、トドメをさした」
「そうか……」

 かけるべき言葉が見つからず、コウスケは彼の肩を叩いた。

「お前、今日は休めよ。教授の手伝いは、今日はオレがやっとくからよ」
「……いや、行くよ。えりかちゃんにも直接このこと報告したいし。それに……」
「それに?」
「……」

 それ以上、ハルトは言葉を続けない。
 ここまできて沈黙で返事をされても、続きそうな言葉に見当もつかないコウスケは、肩を窄めた。

「まあ、しゃあねえか。もう少し探したら行くけどよ、あまり無理すんなよ?」
「うん」

 本当に行くつもりなのだろうか。
 心配になるほどふらふらの足取りで、研究棟へ歩いていく。
 眉をひそめながら、コウスケはため息を付いた。

「大丈夫っつうから、本人を信用するしかねえか……次は……お? 休講か?」

 学生にとってもっとも喜ぶべき情報である休講。その日の講義がまるまる開くのだが、生憎えりかのマスターである教授の手伝いがあるコウスケに、帰宅するという選択肢はない。
 コウスケはハルトが去って行った方向へ視線を投げ、後を追いかける。

「おい、ハルト!」

 コウスケはハルトが去って行った方___教授の研究棟へ足を向ける。
 だが、大学キャンパスの中心である広場で、コウスケは足を止めた。

「お? 祐太? おい、祐太!」

 その声に、友人である瀬川祐太は
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