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星河の覇皇
第八十七部第五章 外の世界の動きを無視しその四十一

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「送っています」
「そうしたこともされていますか」
「貴族として」
 ブラウンベルグは畏まった声で答えた、礼節を守った物腰は上品であり格式も備えた貴族に相応しいものだった。
「そうしています」
「そうですか」
「貴族、領主は君臨しますが」
 自身の領地にというのだ。
「しかしです」
「統治はしませんね」
「議会が決定したことにはサインをする」
「それに尽きますね」
「ですが責任はあり」
 それでというのだ。
「こうしたことはです」
「当然のことですね」
「それでその様にしています」
「そうですね、実は私もです」 
 ギルフォードも述べた。
「領地については」
「そうされていますね」
「はい、君臨していますが」
 それでもというのだ。
「統治はせず」
「領民にはですね」
「寛容と慈悲を忘れず」
 そしてというのだ。
「多少の過失は咎めず」
「それが犯罪でないなら」
「そして功績にはです」
「賛美をですね」
「そうしています、さもないと」
 とてもと言うのだった。
「貴族ではありません」
「貴族は家でなりますが」
「それと共にです」
「誇りと格式でなりますね」
「民に一々怒鳴り施しをせず」
「功を認めないなぞ」
「貴族ではありません」 
 ギルフォードは今は貴族として語った。
「貴族は決して声を荒わげることはなく」
「それにですね」
「平民には常にです」
「寛容ですね」
「そして功績はどんなものでも」
「褒め讃える」
「言葉だけでなく」
 それに加えてというのだ。
「褒美もです」
「与えるべきですね」
「私もそう思います」
 こうブラウンベルグに答えた。
「ですから」
「まさにその通りです、流石は総統閣下です」
 ブラウンベルグは笑みを浮かべて話した。
「貴族はそうでなければなりません」
「平民を統治していますが」
「そこには寛容です、搾取なぞです」
「連合ではいつも言いますが」
「しかし」
 その実はというのだ。
「それはありません」
「領主の予算は全て議会の予算です」
「議会が決めて」
 そしてというのだ。
「そうしてです」
「そのうえで、ですね」
「その中で暮らしています」
「搾取なぞ」
 議会が決めた予算の中でというのだ、これは宮廷予算とされていてそれぞれの領地でそれぞれの議会が決定している。
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