第八十七部第五章 外の世界の動きを無視しその四十
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「戦いに参加した民にはです」
「手紙を送られ」
「そして帰った時は」
「宴にですか」
「招きました」
そうしたというのだ。
「その様に」
「そうでしたか」
「戦死者も出ましたが」
このことは悲しい顔で述べた。
「丁重に弔わせてもらいました」
「公爵ご自身が」
「そうしました」
「でしたか」
「エウロパの為に死んだのですから」
それ故にというのだ。
「その様にです、これは伝統です」
「ブラウンベルク家の」
「そうです」
そうでもあるというのだ。
「初代からの」
「それでなのですね」
「我々もです」
家の者達はというのだ。
「誰もが代々です」
「そうされていますか」
「はい、国の為に戦うのですから」
「エウロパの為に」
「そしてその次に」
ブラウンベルグはさらに言った。
「ドイツの為にです」
「働いてくれたので」
「ですから」
それでというのだ。
「当家ではです」
「そうされていますか」
「左様です、ですが」
「ですがとは」
「当家にしてくれても」
それもまたというのだ。
「有り難いとです」
「その様にですね」
「礼を尽くして行わせてもらっています」
「そうですか」
「貴族にとって礼節は絶対ですね」
「礼節のない貴族なぞいません」
ギルフォードは一言で答えた。
「決して」
「左様ですね」
「はい、礼節と誇りがなくては」
とてもというのだ。
「貴族ではありません」
「そうですから」
「それ故にですね」
「我がブラウンベルグ家では」
「領民にそうされていますね」
「そうなのです」
こうギルフォードに答えた。
「そうしています」
「そうですか」
「はい、そして」
「この度もですね」
「そうしました」
自ら激励の手紙を書いたというのだ。
「そして当家から家族に報償もです」
「そちらもですか」
「年金という形で」
それでというのだ。
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