第八十七部第五章 外の世界の動きを無視しその三十六
[8]前話 [2]次話
「ですから」
「それ故に」
「はい、私もそう思います」
「そうですね、では」
「これからもです」
「貴族はそのままですね」
「エウロパがある限りこの国と民を導いていくべきです」
アランソにこうも述べた。
「まことに」
「その通りです、それは総統閣下も同じお考えです」
「貴族は必要ですね」
「なければ連合の様になります」
自分達が言う内部で衝突ばかり起き衆愚が勝手なことばかりしている国になってしまうというのである。
「ですから」
「秩序ある国家である為にも」
「貴族は必要です」
「それは変わらないですね」
「はい、エウロパでそうした意見はほぼありませんし」
当然貴族制度反対論者もいる、平民達からだけでなく貴族達にも存在している。だが極めて少数である。
「このことはです」
「このままですね」
「続きそして」
「エウロパを導いていく」
「そうなります、ではこれで食事は終わりましたし」
アランソも貴族も食後酒を最後の一滴まで飲み終えた、それでこう言ったのだ。
「ですから」
「これで、ですね」
「はいお話もですね」
「一段落つきましたし」
「それでは」
「これで終わりとしますか」
「そうですね、ではまたお会いした時に」
まさにというのだ。
「こうしてお話しましょう」
「はい、では」
「またお会いする時を」
こう話してだった。
アランソは貴族と笑顔で別れた、そうしてからこの日は妻そして家の美女達のところに戻り身体も心も休めた。
ギルフォードの下に連合での彼の風刺画が紹介された、彼はそこにある自分の姿を見て笑って話した。
「まるで妖怪か悪魔ですね」
「そう言われますか」
「実に面白い」
エウロパ中央政府貴族院議員にしてドイツでとりわけ大きな星系であるブラウンベルク公爵領の主であるカール=フォン=ブラウンベルグ公爵に語った。見れば茶色の髪をロココ調に左右でカールに刺せた茶色の目のしっかりした気品のある壮年の男だ。顎は四角く一八五程の背で体格はしっかりしている。ロココ時代の貴族の服装で色彩は青と銀だがそれも似合っている。貴族院では常に的確な識見を見せている人物として知られている。
「私としてましては」
「そう言われますか」
「彼等はです」
連合の者達はというのだ、ギルフォードは総統官邸の一室で述べた。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ