暁 〜小説投稿サイト〜
ファイナルファンタジー1
37話《還るべき場所へ》
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っ、ななな……何よ!? 今さら笑って見せてくれたっぽくても遅すぎるんだからっ! もう、知らない! アナタなんて……さっさと元の世界に帰って、自分の仲間とちゃんと仲よくしなさいよね!!」

「あぁ……、承知した」


「おぬしの行く末に幸あれ、マゥスン。────おぬしは決して独りではない。仲間と共に、自らを良い方向に変えてゆけるはずじゃ」

「ありがとう、フライヤ。……そしてサラマンダー、私が消滅せずにいられたのはそなたのお陰でもある。本当に……感謝している」

「俺は別に大した事なんざしちゃいねぇ、お前の意志あっての結果だろ。────あばよ」

「おいサラマンダー……いいのかよ、そんなんで」

 ジタンに小声で他の言葉をけしかけられようと、焔の男はそれ以上口を閉ざす。


……そして赤魔道士の彼は再び皆に一礼をし、甲板の縁から七色に光り輝く島へ先立って飛び込もうとする。


「ちょっと待て!」


 そこへ、8人の内のメンバーの一人がマゥスンに向かって前に進み出るが、間を置いて迫ろうとはしない。


「サラマンダー……?」

「お前が元の世界に戻ろうと俺にはどうでもいい事だがな……マゥスン、この際ハッキリさせてくれ。お前は────″どっち″なんだ!」


 思いきったその問いに、彼は一瞬驚いたように目を見開くが、次の瞬間には微笑みを交え、よく通る声でひと言だけ言い放った言葉を残し、開いた口が塞がらないといった様子の異世界の8人の仲間をよそに赤マントを翻し、七色の光の渦に一点だけ微かに視える紅き導きの光めがけ飛び込んで行った。


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