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金木犀の許嫁
第四十七話 須磨の海その十一

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「俺結構知ってるけれど」
「天理教の人で」
「立派な人多いよ」
「教会を継ぐから努力してるのね」
「その人は何も努力していないから」
「言えないわね」
「天理教にいて他の宗教がどうとかも言ってたらしいけれど」
 それでもというのだ。
「どうせその宗教に行ってもね」
「文句ばかりね」
「そうに決まってるよ、もう何をしても駄目な」
「どうしようもない人ね」
「そんな人がお家のことを言っても」
 それでもというのだ。
「聞くことないよ」
「そうなるわね」 
 夜空も確かにと頷いた。
「あの人有名だけれど」
「どうにもならない人だね」
「駄目人間よね」
「その最たるものだね」
「そしてね」
 そのうえでというのだ。
「実際お家を継がないといけないケースはね」
「十勇士のそれぞれのお家がそうで」
「真田家とね」
「お寺もなのね」
「そうだよ、あるんだよ」
「そうしたことは」
「今もね」
 まさにというのだ。
「あるんだよ」
「天理教の教会もよね」
「そうだよ」
 まさにというのだ。
「もうそのことはね」
「事実ね」
「紛れもなくね」
「それで私がお嫁さんに入って」
「子供が産まれたら」
「その子供が跡を継ぐのね」
「そうなるよ」
「男の子でも女の子でも」
「女の子なら」
 それならというのだ。
「お婿さんを迎えて」
「お婿さんが継ぐのね」
「こうしたことも真田家でも十勇士のそれぞれのお家でもあったから」
「お婿さんを迎えるのも」
「多いのはこの十一の家の中から」
 そこからというのだ。
「お婿さんを迎えるのはね」
「多かったのね」
「そのお家に女の子しかいなかったら」
 それならというのだ。
「長女さんがね」
「お婿さんお迎えして」
「そうしてきたんだ」
「ずっとなのね」
「江戸時代からね」
「成程ね」
「十勇士っていうとね」 
 佐京はここで夜空に笑って話した。
「男しかいないってイメージあるね」
「実際そうだったわね」
「そうだけれど」
 それでもというのだ。
「子孫はね」
「女の子も生まれるし」
「それでね」
「女の子しかいないってこともあるわね」
「そうだよ」
 こう夜空に話した。
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