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金木犀の許嫁
第四十七話 須磨の海その七

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「本家だとね」
「忍術やってるわね」
「そうしてるよ」
「そうよね」
「やっぱり本家だと」
 それぞれの家のというのだ。
「忍術はね」
「しないと駄目ね」
「さもないとね」
 夜空にさらに話した。
「受け継がれないから」
「忍術が」
「だからね」
 それでというのだ。
「本家はしているよ」
「けれど分家だと」
「受け継ぐ必要がないから」
 その為にというのだ。
「特にね」
「しなくてよくて」
「夜空さん達もやっていないね」
「それで誰からも何も言われなかったし」
「そうだね、うちは元々母方のお祖母さんも伊賀の人で」
「忍者よね」
「伊賀忍者の直系だよ」
 そうだというのだ。
「それでお祖父さんとお祖母さん伊賀にいるけれど」
「忍術使えるのね」
「忍者だよ」
 正真正銘のその者達だというのだ。
「二人共ね」
「ご本家だとそうなるのね」
「今はかなりそういうの薄れたって言われても」
 それでもというのだ。
「今もやっぱりね」
「ご本家とか分家とかあって」
「受け継がれるものもあるよ」
 それぞれの家でというのだ。
「天理教の教会とか仏教のお寺でもあるしね」
「教会やお寺を継ぐ」
「神道の神社だってね」
「昔からの考え残ってるわね」
「天理教はお家を大事にするから」
 この宗教はというのだ、理を受け継ぐといって代々の信仰を大事にする考えがこの宗教には存在するのだ。
「だからね」
「それでお家の人が継ぐのよね」
「お子さんがいなかったら養子さん迎えるし」
「そうするわね、天理教は」
「女の人だけいなかったら」
 その時はというと。
「お婿さんを迎えて」
「そうしてよね」
「そのお婿さんに継いでもらうし」
「今もそうした考えあるわね」
「うちは元々武士だし」
「真田家も十勇士のお家も」
「だからね」
 それでというのだ。
「尚更ね」
「そうした考えあるわね」
「そうだよ、それで本家はね」
「どのお家も忍術やってるわね」
「それを受け継いでいってるよ」
「そうよね」
「俺もそうで」
 佐京自身もというのだ。
「子供が出来たらね」
「忍術教えて」
「そしてね」
 そのうえでというのだ。
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