第三章
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「出ているわ」
「そうされていますね」
「そうよ、それじゃあ今からね」
「神社の中に入って」
「そしてね」
そのうえでというのだ。
「本当に屋台があるか」
「確かめますね」
「そうしましょう、あるならね」
蜜柑は笑って話した。
「お祭りの時に出店が出る」
「そこですね」
「そう、だからね」
「そちらに行きますね」
「神社の境内でお店出るっていったら」
「大体そうした場所ですね」
「普段でもね」
祭りでない時もというのだ。
「お店あるってね」
「そうした場所ですね」
「だからね」
「そっちに行くとですね」
「あると思うわ、それじゃあね」
「これからですね」
「そっち行きましょう」
こう三葉に言ってだった。
境内の出店がある場所に行った、すると。
そこに出店、木造で昔のそれこそ時代劇に出てくる様な屋台があった。蜜柑はその屋台を見て三葉に言った。
「まさにね」
「そうした屋台ですね」
「時代劇に出て来るわね」
「それで食べるお店ですね」
「あからさまにね」
「そうですね、それじゃあ」
三葉は蜜柑に話した。
「あのお店に入ったら」
「そうしたらね」
それこそというのだ。
「出るかもね」
「誰もいないですか」
「そうじゃないかしら」
「その夜泣き蕎麦みたいに」
「本所のね」
七不思議のそれの様にというのだ。
「そうじゃないかしら」
「だとしたらそのままですね、ただ」
「ただ?」
「夜泣き蕎麦っていうとお蕎麦ですよね」
三葉はここで出るものの話をした。
「そうですよね」
「あっちはお蕎麦なのよね」
蜜柑はまさにと答えた。
「もうね」
「そうですよね」
「それもざるそばが多くて」
食べる蕎麦の種類はというのだ。
「噛まずにね」
「飲みますね」
「それで喉越しを味わうのよ」
「それがあっちの食べ方ですね」
「おつゆが辛いから」
江戸、即ち東京はというのだ。
「あっちの辛いお醤油を大根をすり下ろした後のお汁に入れたものだから」
「それは確かに辛いですね」
「ちょっとつけてね」
蕎麦をつゆにというのだ。
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