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ハッピークローバー
第百五十三話 スカートの丈その五

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「他の国の人攻撃する奴いるし」
「そうなの」
「ええ、イスラム教って豚肉食べないでしょ」
「そうそう、あのお肉はね」
「そこをね」
 イスラムのこの戒律をというのだ。
「牛肉とかも含めて」
「牛肉食べるじゃない」
 ムスリムでもとだ、理虹は返した。イスラム圏では羊肉がポピュラーだが牛肉も食べられる。他には山羊や鶏肉もだ。
「それをなの」
「知らないか嘘吐いてね」 
 そうしてというのだ。
「イスラムの人がいたら押し付けられて」
「自分達が食べられなくなるとか」
「言い回ってる奴いるのよ」
「嘘まで言って攻撃するって」
 一華は嫌悪に満ちた顔で言った。
「言い逃れ出来ないわね」
「完全に悪い意図あるわよね」
「他の人を批判するなら兎も角」
 論理で以てというのだ。
「嘘吐いて攻撃するならね」
「もうそれはね」
「ナチスと同じだからね」
「絶対に碌な奴じゃないわね」
「私そう思うわ」
「私もよ」 
 理虹もだった。
「それ完全にアウトで」
「絶対に碌な奴じゃないわね」
「イスラムで牛肉食べていいことはね」
「常識よね」
「うちの学校じゃね」
「牛食べて駄目なのは」
 その宗教はというと。
「ヒンズー教よ」
「そうよね、他にもね」 
 理虹はさらに話した。
「孵化する直前の鳥食べたり兎食べたら野蛮とか」
「それってね」
 一華はまた応えた。
「鯨食べたら野蛮とか言う人達と同じね」
「そうでしょ」
「どう見てもね」
「こんなこと言って他の国の人攻撃するのよ」
「どう見たって差別ね」
「そう、こんな連中もね」 
 理虹はさらに言った。
「世の中いるのよ」
「日本に」
「そうなの」
「これがね」
「最低ね」
「そう、最低よ」
 まさにというのだ。
「もうね」
「そうよね」
「私達だって鯨でね」
「言われたし」
「それで言うのはね」
「尚更駄目よね」
「別に兎食べてもね」
 そうしてもというのだ。
「普通だし犬や猫もね」
「食べる国あるしね」
「それ自体は悪くないのよ」
「流石に盗んだりして食べたら駄目だけれどね」
「そうした食文化もある」
「それが大事ね」
「そう、しかし」
 それにというのだった。
「それを認めないでね」
「駄目とか言うのは」
「しかも嘘まで吐いて」 
 そうしてというのだ。
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