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八条学園騒動記
第七百八十一話 もてるからこそその五

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「それに忙しくてね」
「自分のことはなおざりだな」
「作品もね」
「そうなるな」
「ふんぞり返っていて」
 作品を書くにあたってというのだ。
「それで自分の作品は凄い、立派だって」
「思うだけか」
「全く努力しないで」
「それで書いてだな」
「他の人の作品にはね」
 ベンは嫌そうに話した。
「やたら偉そうに批評して」
「駄目出しだな」
「人格攻撃までね」
 書いた作者のというのだ。
「してね、それで自分の作品を言われたら」
「怒るな」
「すぐに噛みついて」
「あれこれ言うな」
「だからすぐにね」
 それこそというのだ。
「ブロックされてね」
「批評出来なくなってだな」
「読む人もね」
「いなくなるな」
「こんな作者は消えるよ」
 そうなるというのだ。
「面白くない、偉そうに言ってくる」
「しかもすぐに噛み付いてくるとか」
「もうね」  
 それこそというのだ。
「読まなくなるよ」
「そうだな」
「そして西鶴さんはね」
 今話している彼はというと。
「そんなことはね」
「しなかったな」
「もうね」
 それこそというのだ。
「我が道を往くだよ」
「そうした作家さんが一番いいかもな」
「だからあんな作品もね」
 好色一代男もというのだ。
「書けたんだろうね」
「ぶっ飛び過ぎてる作品もか」
「うん、ただね」
 ここでベンは考える顔になった、そうしてフックに対してその顔でこんなことを言ったのであった。
「物凄いにも程があるけれどね」
「本当にそうだな」
「ストーリー展開がね」
「無茶苦茶だな」
「うん、男女合わせて何千人もね」
「四千人以上な」
「還暦まで遊んで」
 そうしてというのだ。
「そのうえでラストはね」
「ハーレムに行くなんてな」
「凄まじいよ」
「頭のネジがぶっ飛んだ様な展開だな」
「結末もね」
「確かにな」
 フックは真面目な顔で話した。
「普通の発想だとな」
「書けないね」
「ああ」
 絶対にというのだった。
「書けるものじゃない」
「あれかな」 
 ベンは考える顔のまま話した。
「麻薬やってね」
「ハイになってか」
「そのうえで書いてたら」
「出て来る発想か」
「それかお酒飲んでね」
「そうでもないとか」
「書けないんじゃないかな」 
 こう言うのだった。
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