第四章
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「そういえば」
「ああ、後で来るから」
「あいつも昨日飲んでたんだよ」
「それで起きて二日酔いでね」
「お風呂入ってから来るって言ってたわ」
橋口七益々瀬と伊藤春華、遠藤静華、中森凛が自分達の場所から答えた。
「昨日電話したら試合はじまってから飲んでいて」
「終わってから自棄酒だったみたいよ」
「それで起きたら酷い二日酔いでな」
「お風呂入ってって言ってたわ」
「そうなのね、二日酔いでのお風呂入ったのは同じでも」
明日夢はそれでもと応えた。
「勝った方と負けた場合は違うわね」
「当たり前でしょ」
恵美がすぐに言ってきた。
「あんたもそうでしょ」
「横浜長い間弱かったしね」
「負けたらよく飲んでたわね」
「憂さ晴らしでね」
「だったらわかるわね」
「ええ」
恵美に答えた。
「私もね」
「よくそうしたわね」
「そうだったしね」
「だからよ」
「咲もなのね」
「自棄酒飲んで」
「それでお風呂入ってるわね」
こう返した。
「そういうことね」
「そうよ」
「そうね、じゃあ学校来たらね」
「そっとしてあげましょう」
「その必要ないから」
だがここでその柳本咲の声がした、皆声がした方を見ると確かに彼女がいた。
その咲を見てだ、千佳が言った。
「何て言うか」
「負けたわね、ホークス」
咲は自分から言った。
「残念だけれど」
「自分で言うの」
「それで負けて飲んだくれていたこともね」
このこともというのだ。
「言うわ」
「そうなのね」
「負けたことは事実だし」
落ち着いた声で言った。
「本当に残念で落ち込んだけれど」
「怒っていないの」
「これが巨人だと怒ってたわよ」
全世界に仇なすこの邪悪そのもののチームはというのだ。
「本気でね」
「皆巨人嫌いだしね」
「このクラスでも巨人好きな人いないしね」
「本当に皆嫌いだし」
「あそこだとね」
それならというのだ。
「今こんなのじゃなかったわ」
「そうよね」
明日夢もそうなると頷いた。
「私も巨人大嫌いだし」
「巨人に負けると嫌でしょ」
「いつもね、負けること自体嫌だけれど」
その中でもというのだ。
「特にね」
「それでよ」
「シリーズ巨人が出ていて」
「負けていたらね」
そうであるならというのだ。
「今頃本気で怒ってたわよ」
「じゃあ横浜に負けて」
「残念で悔しいけれど」
そう思っているがというのだ。
「怒ってはいないわ、また来年よ」
「そう思うだけね」
「巨人じゃなかったら」
それならというのだ。
「もうね」
「怒らないのね」
「咲だってね、本当にまた来年よ」
またこの言葉を出した。
「それで来年こそはね」
「日本一ね」
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