第二章
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「それがです」
「二十六年ふりにね」
「日本一です、今日はお家の仕事が終わったら」
「今のこれがね」
「お家に帰ったら」
そうしたらというのだ。
「飲みます」
「そうするね」
「絶対に」
こう言いつつその瞬間を待った、そしてその瞬間が来て。
明日夢は飛び上がって喜び店はこれから三日ドリンクと料理を半額となるサービスがはじまると宣言した。
そのうえで自分は家に帰ると祝杯をあげた、その翌朝。
明日夢は登校するとだ、一番仲のいい安橋恵美に聞かれた。
「気分はどう?」
「夢みたいよ」
明日夢は満面の笑顔で応えた。
「まさかのまさかだったから」
「そうよね」
「シリーズまで出られて」
そうしてというのだ。
「そのうえでね」
「日本一ね」
「二十六年ぶりのね」
「嬉しくない筈がないわね」
「だから昨日はお仕事終わったら」
スタープラチナのそれがというのだ。
「大吟醸用意していたけれど」
「飲んだのね」
「酔い潰れるまでね」
「その割りに二日酔いになっていないわね」
やはり仲のいい高山茜が言ってきた。
「別に」
「なってたのよ」
明日夢は正直に答えた。
「これが」
「そうだったの」
「けれどね」
それがというのだ。
「お気てすぐにお風呂入って」
「お酒抜いたの」
「湯舟に入って」
そうしてというのだ。
「冷たいシャワー浴びたら」
「お酒抜けて」
「すっきりしたから」
「今は大丈夫なのね」
「この通りね」
「それでかなり飲んだの」
「そう、本当に嬉しかったからね」
だからだというのだ。
「二十六年ぶりの日本一はね」
「喜びも尚更ね」
「本当にね」
「そうよね、日本一は嬉しいわ」
恵美はしみじみとした口調で述べた。
「私のあの時は嬉しかったわ」
「西武が日本一になった時は」
「そうだったしね」
「日本一は違うわ」
茜も頷くことだった。
「大谷さんいてね」
「あの時ね」
「あの人がとんでもない活躍してくれて」
それでというのだ。
「日本一になって」
「嬉しかったわね」
「ええ」
そうだったというのだ。
「あの時はね」
「やっぱりそうね」
「ええ、ただね」
茜はこうも言った。
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