暁 〜小説投稿サイト〜
二十六年ぶりの日本一
第一章

[2]次話
               二十六年ぶりの日本一
 北乃明日夢はこの時自分の家が経営しているカラオケボックススタープラチナのカウンターにいた、そのうえで。
 自分が応援する横浜DENAベイスターズの試合を観ていた、試合は日本シリーズ六戦目で九回裏だった。
 その試合を観つつだ、カウンターにいる常連客に言っていた。
「いよいよですね」
「日本一だね」
「いや、九月の最初は」
 明日夢は一緒に観戦している客に話した。
「とてもです」
「こうなるなんてだね」
「思いませんでした」
「四位だったからね」
「それが三位になって」
 そうしてというのだ。
「クライマックスに出て」
「クライマックス勝ち進んでね」
「阪神に勝って」 
「巨人にも勝ったね」
「まず三連勝しまして」
 全人類普遍の時であるこのチームにだ。
「それから連敗して」
「終わったと思ったね」
「いい夢見たと」
 その様にというのだ。
「思いました」
「そうだったね」
「はい、それで」
 そのうえでというのだ。
「ここまで出来て」
「よかっただね」
「そう思いました」
「横浜よくやった」
「はい、ですが」
 そう思ったがというのだ。
「まさかです」
「最後の試合も勝って」
「シリーズ出場になって」
「本当にまさかだったね」
「けれど負けると思いました」 
 そのシリーズはというのだ。
「絶対に」
「今度こそと」
「それがこうして」
「まさかのまさかで」
「日本一になりますね」
「二十六年ふりだね」
「前の世紀ですよ」 
 明日夢はカウンターの後ろの壁の上の部分にセットしてあるテレビを観つつ言った、試合は今まさに終わろうとしている。
「それからずっとです」
「一回シリーズに出たね」
「はい、ですが」
 それがというのだ。
「それ以外は暗黒時代も長くて」
「本当に長かったね」
「優勝なんて」
 それこそというのだ。
「夢にも思いませんでした」
「そうだったね」
「それが親会社が変わって」
「チームも変わったね」
「そうなっていって」 
 そしてというのだ。
「一度シリーズに出ましたけれど」
「最下位もあったしね」
「やっぱり日本一なんて」
「夢だったね」
「まだ縁がないって思っていました」
 そうだったというのだ。
「私は」
「多くのファンの人達もだね」
「そうでした、ですが」
 明日夢は満面の笑みで言った。
[2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ