インナモラーティは筋書きをなぞるのか 4
[1/5]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
『改めて名乗ろう。私は『音』を司る女神アオイデー。フィレスの先祖、『言霊』を司る女神メレテーの親友だ。アルスエルナの王族へと繋がる古き友との約束でお前達人間を密かに見守ってきたが、こうなっては仕方ない』
「仕方ないもなにも、完全にお前の早とちり……」
『やかましい! いいから聴け!』
「へいへい」
『アオイデー』と名乗る小鳥に対し、どうでも良さげに手を振る師範。
なんという雑な返し。
自称とはいえ、アルスエルナ王国の守護女神を相手にしてる筈なのに。
アリアへの理解や、マリアさんへの丁寧な態度とは大違いだ。
これが信仰心の表れか。
『現時点から、フィレスが封印を解いて人間世界を離れるまでの間に限り、私は魔王レゾネクトの一件に関わった者達全員に直接付く守護者となろう。特にソレスタ! お前は自身の悪魔化を試す気などないと言うが! 過去の所業を考えると、まっったく信用できん! 生きてる限りどこまでも延々と付きまとって、夜となく昼となく具に監視させてもらうからな!』
「うわ、すんごい邪魔くさくて迷惑極まりな……ぅん? 音を司る女神? お前、アーレストの先祖か」
『私には伴侶も子孫もいない。アーレストもお前と同じ、古き友の血筋だ』
「その古き友が悪魔ってことだな。なら、アーレストの先祖も悪魔なのか」
『一応言っておくが、あれの魂は真性の人間で、あれが使う力は神や悪魔が生まれ持つものとは違う。強いて分類するなら『創造神お抱えの調律師』。私が把握している全生物の歴史の中では、二人の人間にしか現れていない、現世に在るあらゆるものを創世当時の旋律へ導く、希少な『指揮者』だ』
調律師で指揮者。
それっぽいを通り越して、そのまんまだ。
「ふーん? じゃあ、あいつ……プリシラは?」
『ただの人間』
「納得いかん! あいつのほうが俺よりよっぽど悪魔だろ??」
『情報収集と分析能力の話なら、答えは単純に、人海戦術と人間観察だぞ。人脈作りとか、人材育成とか、諸々の実行手段とかは見てるこっちの心臓に悪いことだらけだが、それも大きく長い目で見れば基本に忠実ってだけで、時と場合と相手さえ考慮しなければ、大したことはやってない』
「各国の主要組織に背景を隠し通せてる時点で大したことなんだっての。やっぱりバケモンだな、あれは」
腕を組み、「うんうん」としきりに頷く師範。
この方が化け物呼ばわりするプリシラさんとは、いったい?
「ついでに聴くが、お前が本当に本物の堕天使なら、勇者アルフリードを知ってるよな? 彼もフィレスと同じ要因と過程で神化したのか?」
『……お前、本当に悪魔化は……』
「しつこい。
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ