インナモラーティは筋書きをなぞるのか 3
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たのか、師範の顔は細線だらけだ。
「ったく。どうしてくれようか、この光る鳥。見世物小屋に売り払うか? 丸焼きか? それとも、丁寧に解体した後で串に刺してやろうか」
「師範、それは」
やめたほうが良いのでは、と言いかけて。
突然鳴きやんだ小鳥に目を向けた。
小鳥は嘴を閉ざし、師範の顔をじぃっと見つめてる。
「なんだよ」
『…………フィレスが『退魔』の力で覚醒したのは、この子が女神の子孫で魂の本質も生粋の神々と同じだったからだ。お前の場合は間違いなく死ぬ。絶対にやめろ、ソレスタ』
「魂の本質?」
『種族の種族たる特徴とは、魂の性質と、生物が受け継ぐ外殻と、それらを維持するに足る熱量……生命力の分量に左右される』
フィレスは両親の情報から人間の器と生命力を構築したが、魂そのものは『退魔』の力に触れるまで人間に寄せていただけ。元は神と同質だった。
だから、『退魔』の力と、フィレスの魂が共鳴し。
受け継いだ血にも残る神の性質を利用して、存在を変質できたんだ。
『残念だがお前の先祖も魂も、神のそれではない。神の力など喰らったら、生命力はともかく器と魂の大部分が損壊するぞ』
「器と魂の大部分が損壊する?」
『最低限の生体活動だけをくり返す、短命な寝たきり人形の出来上がりだ』
「ふぅーん? それはそれは……なるほどな」
数秒目蓋を伏せた師範が、何かに気付いたのか、私を見てにやりと笑う。
すごいな。
私の頭では全然付いて行けない内容にも、師範は理解を示してる。
「退魔の力がフィレスの魂を神の物に覚醒させて、人間の部分を変えた?」
『正確には、覚醒した魂のほうがアーレストの力を借りて、生命力と外殻の構成を、神の物に自主修正したんだ』
「つまり、退魔の力は、基本的に人間の部分を害さない?」
『あれは悪魔を退ける為の力だからな……って…… あ。』
あ。
「へぇええええ〜〜。そーかそーか。俺の魂は限りなく人間寄りな悪魔で、ご先祖様は神でも人間でもないのかあ〜。道理で昔、初対面のアーレストが開口一番に『悪魔の仲間?』とか訊いてきたワケだ。となると、俺の鍵にはレゾネクトかべゼドラが合う、ってことだよなあ?」
師範が……
アルスエルナ王国の第二王子である師範が、悪魔の子孫?
それは、もしや。
『い、いやちょっと待て、早まるな! 神と悪魔は別物だ! 今まで悪魔に覚醒した人間なんかいないし、フィレスと同じ経過を辿っても、同じ結果を得られる確証はどこにもないんだぞ?? 好奇心
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