暁 〜小説投稿サイト〜
Fate/WizarDragonknight
ホムンクルス
[3/6]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
でも、もう知る必要はないよ」
『シャバドゥビダッチヘンシーン シャバドゥビダッチヘンシーン』

 ウィザードのベルトから、あの奇怪な音声が流れだす。
 そして指輪から、琥珀の光が漏れ出す。

『ランド ドラゴン』

 この音声パターンの意味は、調べがついている。
 ウィザードの形態(エレメント)変化。
 同時に翡翠は琥珀となり、風の魔力は大地のそれとなる。

『ダンデンズン ドゴーン ダンデンズン ドゴーン』
「聖杯戦争関連の戦いは、これで最後だから」
『チョーイイネ グラビティ サイコー』

 琥珀のウィザード、ランドドラゴンは、即座にその魔力を新たに発動させた。
 重力(グラビティ)。その意味を察し、パピヨンは即飛び上がる。すると、さっきまでパピヨンがいた空間を重力の魔法陣が通り抜けていく。

「強気な発言の割には、空振りばかりじゃないか。空を飛ぶ蝶を落とすのも、中々苦労しそうだな、ウィザード」
「意外とそうでもないかもよ? 虫取りって結構好きな子多いからね!」

 ウィザードは続けて、グラビティの魔法を発動。
 だが琥珀の魔法陣の速度はそれほど早くない。パピヨンの飛行能力でも回避が可能だった。
「その姿だと、どうやら機動力はないようだな。果たしてそれで、俺のニアデスハピネスを防げるのかな!?」

 パピヨンは無数の蝶を放つ。
 だがウィザードは、新たな指輪を発動させた。

『ディフェンド プリーズ』

 土のウィザードが、防御力に優れている。
 そのイメージ通り、出現した土壁にパピヨンの蝶たちは阻まれていく。例え爆発を繰り返したとしても、土の壁は聳えたその存在感を放ち続けていた。
 やがて土の壁は崩壊する。だがウィザードはすでに、壁の向こうで次の手を打っていた。
 両手にドラゴンの鉤爪(ドラゴヘルクロー)を構えており、その爪先は琥珀の弧を描く。

「!?」

 ウィザードの遠距離の斬撃は、そのままパピヨンの両翼を切り裂いた。

「何!?」

 翼の再生成が間に合わず、そのままパピヨンは重機の上に落下。
 重低音が響き、パピヨンの肉体が重機のアーム上部をひしゃげる。あの重力の魔法は、果たして囮で、本命は遠距離の斬撃だったのだろうか。そんな疑問さえ過ぎってしまう。
 ドラゴヘルクローを消滅させたウィザードは、そのまま吐き捨てた。

「もう、充分だろ」
「な、何……?」

 パピヨンは痛む体を起こす。
 ランドドラゴンのウィザードは、ゆっくりと首を振った。

「これ以上無駄に命を削る必要なんてない。お前の願いが何かは知らないけど、聖杯以外の手段を探してくれ」
「充分?」

 パピヨンはゆっくりと目元に腕を当てる。天井から差し込む陽の光が、自らの
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ