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Fate/WizarDragonknight
ホムンクルス
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げてウィザードへ急降下。手刀が、ウィザーソードガンと激突する。
 そのまま、空中で激突を繰り返す。だが攻撃は互いに打ち合いになるだけで、進展はなかなか見られない。

「だったら……!」

 痺れを切らしたのか、ウィザードは新たな指輪を取りだした。
 ベルトを操作し、即、指輪をベルトに当てる。

『チョーイイネ スペシャル サイコー』

 ベルトを操作、指輪を翳す。
 たったそれだけのプロセスで、多種多様な魔法を発動できる。
 どんな出鱈目(でたらめ)だと思いながら、パピヨンは周囲に多くの蝶を錬成していく。
 一方、ウィザードが発動した魔法はより強い風の魔法。翡翠色の風はウィザードの背中に集い、まさにドラゴンの如く翼となる。

「化け物のような姿だな……ウィザード」
「……そうだね」

 ウィザードは頷き、二本に増やした剣を逆手に持ち替えた。
 翼を大きく羽ばたかせ、その周囲に翡翠の風を放つ。
 すると、パピヨンを遥かに上回る機動力を発揮された。パピヨンの倍はありそうな動きで、一気にパピヨンに肉薄。手刀など簡単に掻い潜り、パピヨンの体にダメージを与えていく。

「ぐあっ!」

 さらにウィザードは、そのままパピヨンの腕を掴まえる。パピヨンの反撃を許すことなく、ウィザードはパピヨンの体を押し出すように押し出していく。
 やがて、パピヨンの位置は、見滝原南まで到達した。
 工業地帯だったが打ち捨てられて、今はスラム街になっている地帯。美しい自身とは正反対の場所だと思っていたパピヨンに対し、ウィザードは顔を傾けた。「あそこだ」と何かを決めたかと思えば、体を大きく傾かせ、建物の屋根をパピヨンの体で突き破った。

「ぐおおおっ!?」

 地面に投げ出されたパピヨン。やがて周囲を見れば、ウィザードが戦場をどこかの寂れた施設に選んだことを理解する。

「ここは……?」
「何年か前に放置された工場らしいよ。俺も詳しいことは知らない」

 その言葉を聞いて施設内部を見渡せば、確かに残っている機器は埃を被っており、長年人の手に触れた形跡がない。
 だが、それに合わせて最近破壊されたような重機もある。大きくひしゃげたそれは、まるで高熱で歪んだかのようだ。

「以前ここで、戦ったことがあるのか?」
「……あるよ」

 あっさりと。
 ウィザードは答えた。

「トレギアって奴がコヒメちゃん(荒魂の女の子)を攫ったときにね」
「荒魂……その情報は聞いていなかったな」
「あの戦いを経た参加者は今、俺と可奈美ちゃんだけだからね。情報がないのも当然だよ」
「ほう……どうやら、まだ俺の知らない戦いもあったようだな」
「そうだね」

 ウィザードはそう言って、トパーズの指輪を取りだす。


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