第百五十二話 化学と科学その十三
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「孟子だったかしら」
「中国の古典の」
「儒学のね、人が訳もなく殺される国なら」
「ああ、逃げる方がいい」
「その国から出るべきだってね」
「そう言ってるんだ」
「それで顧問の先生が暴力振るうなら」
それならというのだ。
「もう暴力なんて論外だから」
「どんな理由でも振るったら駄目で」
「それでね」
そうであってというのだ。
「ましてや虐待レベルなら」
「逃げた方がいいね」
「どうせあれでしょ、その虐待も」
そうした教師が行うものはというのだ。
「何でもない、動きが悪いとか」
「そうそう、そんな理由でね」
「機嫌が悪かったりして」
「出鱈目にやるんだよ」
「まんまDV男じゃない」
これは結婚しているしていないに限らない、パートナーにそうした暴力を振るう外道もまた世の中には存在しているのだ。
「どうせ家でもやるわね」
「何かあったらね」
「夏目漱石さんもそうだったらしいけれど」
当時でも問題になる位でご子息をステッキで激しく何度も打ち据えたという逸話が残っていたりする。
「生徒にそんな暴力を振るう先生のいるところからはね」
「逃げないとね」
「昔はどうだったかじゃなくて」
「その昔が間違ってるから」
「すぐにね」
「逃げないとね」
「それでその部活がやってることをしたいなら」
それならというのだ。
「他のところでね」
「やるべきよ」
理事には言い切った。
「部活だけじゃないから」
「その通りだよ、何でも剣道部で中学では禁止されてる突きして」
「先生が生徒に」
「体格がずっと劣るね」
「危ないわね、それは」
「しかもリンチ技で試合でしたらアウトのシャベル突きをね」
竹刀を思いきり下にやってから上に突き上げる、それがシャベルを使う様な動きなのでその呼び名になっている。明らかに相手を痛めつけることが目的であるので試合で行うと確実に反則になる技である。
「して生徒に跡が残る位だよ」
「そんな部活は逃げないとね」
「それも試合に負けて生徒全員に丸坊主にしろで」
「それもアウトよね」
「これも体罰だしね」
しかしそれが学校によっては許されるのが日本の教育である。
「それで自分はしなくて」
「自分は悪くない、負けた生徒が悪い」
「指導する自分じゃなくてね」
「その時点で屑よね」
「それで丸坊主にした生徒が少ないってブチ切れて」
「その技浴びせたの」
「それで跡も残ってるんだ」
シャベル突きのそれがというのだ。
「こんな部活からはね」
「速攻で逃げないと何があるかわからないね」
「こんなのあるからね」
日本の学校ではだ。
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