第一章
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古い酒場
イギリスの港町プリマスに来てだった、日本人でサラリーマンをしている田所仁丸眼鏡をかけ面長で丸い目と黒く短い髪の毛を持っている痩せた一七六程の背の彼は一緒に旅行をしている妻の雅恵に言った。
「キャプテン=ドレイクもいたんだよ」
「この街にね」
妻は微笑んで応えた、セットした長い黒髪と穏やかな丸い目で顎の形がいい。背は一五六程ですらりとしている。二人共ズボンにシャツという動きやすい恰好だ。
「母港にしていたのよね」
「それでだよ」
夫は妻に話した。
「世界を巡って」
「スペインと戦ったわね」
「そうなんだ、そしてね」
夫はさらに話した。
「この街には十五世紀からね」
「何百年も前ね」
「そう、その頃からあるパブもだよ」
「あるのね」
「それで今からね」
笑顔で言った。
「そのお店に入って」
「飲むのね」
「そうしよう」
「ここは確か」
妻は考える顔になって話した。
「プリマス=ジンの本場よね」
「そうだよ」
夫はその通りだと答えた、二人で街の中を歩きつつ。見れば古い街並みで左右には色々なパブが並んでいる。
「あのお酒のね」
「そうよね」
「それでキャプテン=ドレイクもだよ」
彼もというのだ。
「ジンを飲んでいたんだよ」
「あの人もなのね」
「何しろ昔の船は」
ドレイクの頃はというのだ。
「ずっと海の上でお水なんてね」
「すぐに腐るから」
「飲めないからね」
「それでお酒がお水代わりで」
「ジンもね」
この酒もというのだ。
「飲まれていたんだ」
「そうだったわね」
「それでね」
「このプリマスもね」
「ジンで有名で」
「作られているわね」
「そう、そして」
妻に自分達の左右に立ち並んでいるパブ達を見回しつつ話した。
「これからね」
「パブに入って」
「ジンを飲むけれど」
そうするがというのだ。
「さて、どのお店に入ろうか」
「確か」
妻は夫と共にパブを見回しつつ応えた。
「この街は十五世紀からあって」
「うん、パブだってね」
「十五世紀からあるのね」
「そうしたお店が多いんだ」
「歴史あるお店ね」
「そのお店に入って飲もう」
夫婦でというのだ。
「そうしよう」
「わかったわ、それならね」
妻は笑顔で応えた。
「そうしたお店で飲みましょう」
「二人でね」
こうした話をしてだった。
夫婦でこれはという店を探した、そして一軒の如何にもという感じの古い店に入った。そしてだった。
夫婦でカウンターの席に座ってだ、ダークブラウンの短い髪で青い目の若いチョッキとブラウスを着た男に英語で尋ねた。
「ジンを下さい」
「わかりました」
男は笑顔で応えた。
「
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