第23話 第八次イゼルローン要塞攻防戦
[3/4]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
叫びながら斧を振りかぶってくる集団はある意味恐怖だ。
「あいつらか。あんなのでも一応、白兵戦なら帝国最強の部隊なのだが……まあ、そんなことはどうでもいい。今日こそ結着をつけようではないか、シェーンコップ!」
「ん!」
両者は走り出し、斧をぶつけ合う。
リューネブルクが斧を振るえばシェーンコップが斧で受け、シェーンコップが斧を振るえばリューネブルクが斧で受ける。
幾合にも及ぶ鍔迫り合い。
それは、双方の陣営最強の、白兵戦において数百億人の頂点に立つ者同士の頂上決戦であった。
だが、そんな激闘も終わりを見せる。
混乱から立ち直った帝国軍が態勢を整え反撃を開始したため、艦内の戦況はローゼンリッターが劣勢となり、味方の不利を悟ったシェーンコップがリューネブルクの一瞬の隙を突き味方と共に撤退。
両雄の対決はドローとなった。
・・・・・
ローゼンリッターを回収した同盟軍は、これ以上の継戦は無用と見て速やかに撤退していく。
「敵艦隊、後退していきます」
「早いな、もう少し未練を残しても良いだろうに……やはりヤン・ウェンリーは名将の器のようだな」
「閣下、追撃しますか?」
「いや、付け込む隙が無い。それにトールハンマーも健在だ、深追いは避けるとしよう」
* * *
先の戦闘後、別段の動きの無かった敵国軍が動き出し、500隻程の小単位の艦隊が次々と一撃離脱による接近戦を仕掛けた。
同盟軍はそれを浮遊砲台とトールハンマーで迎撃するが、帝国軍による攻撃は止まず、数次に渡る攻撃で要塞の外壁に取り付く寸前にまで至る。
ヤン・ウェンリーは帝国軍の攻撃ポイントの周囲の砲台を無人化して、流体金属層の中でトールハンマーを撃たせ、流体金属を押し戻すという荒業で危機を回避。
また、トールハンマーを帝国軍の第六陣の集結地点に放つことで連続的な攻撃を途切れさせることに成功した。
「第六陣、一時退却。ふむ、作戦としては順調だが……ここまでの敵味方の損害は?」
「敵の砲台を200箇所ほど叩きましたが、こちらも200隻近くが破壊されました」
「そうか……頃合いだな。いったん撤退する」
「はっ? し、しかし」
「ここまでやれば十分だ。これ以上の無駄な損害を出すこともない」
「はっ! では、いよいよ?」
「うむ、世紀の大作戦の始まりだ」
* * *
イゼルローン要塞に対する攻撃は失敗に終わり、帝国軍は帝国領方面に撤退。
しかし、総司令官のナトルプ上級大将は本国に対して増援軍の派遣を求める。
これに対し、宇宙艦隊司令長官ハプスブルク元帥はこのナトルプ上級大将の苦戦に遺憾の意を示し、この際、一挙にイゼルローン要塞を攻略せんとの意思を帝国軍
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ