第23話 第八次イゼルローン要塞攻防戦
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の高さを示していた。
「トールハンマーの射程内には入ってこないか……だが、手は有る。シェーンコップ少将、ローゼンリッターにやってもらいたい任務が有るんだが」
ヤンの言葉に、シェーンコップは不敵に口を吊り上げた。
* * *
双方が撃ち合いを続けて1時間余り。
長距離砲戦ということもあってか、両軍の被害は軽微にとどまっている。
帝国軍は、同盟軍が遠からず機を見て要塞に撤退すると考えており積極的に戦闘を望まなかった。
通常であれば、それは正しい考えであったと言えよう。だが……
突如、同盟軍は思いもよらない行動に出る。
「て、敵軍が突っ込んできます!」
「何、乱戦に持ち込む気か!? ここはトールハンマーの射程外だぞ……くっ、応戦用意」
同盟軍の急な突出により、両軍は混戦状態に陥る。
確かに、この状況であればトールハンマーの射程圏外であっても帝国軍はその数の利を活かすことができないだろうが、それは同時に無秩序な戦闘に突入することでもあり、無意味な消耗戦を意味する。
だが、一見無意味なこの混戦こそがヤンの仕掛けた策略であった。
「敵艦急速接近! きょ、強襲揚陸艦です」
「なるほど、頭を取りに来たか。これで合点がいったわ」
ガクン
旗艦レヴィアタンが大きく揺れる。
「て、敵強襲揚陸艦に接舷されました!」
「慌てることはない。この状況は最初から想定済みだ」
「想定済み……ですか?」
「何の為に、リューネブルク大将直々にこの艦で装甲擲弾兵の指揮をとっていると思うか?」
「……まさか」
「分かったか、心配など無用なのだよ。さて、肉弾戦は彼らに任せておくとして……この混戦だ。ワルキューレを出して一隻でも多くの敵を叩かせろ」
・・・・・
「ぐぁー!!」
ローゼンリッターの悲鳴がレヴィアタン内の通路に木霊する。
その原因を作った人物はヘルマン・フォン・リューネブルク大将。
帝国軍装甲擲弾兵総監であり、かつてのローゼンリッター連隊連隊長。
現ローゼンリッター連隊長であるシェーンコップにとって倒すべき、宿敵といえる人物であった。
「貴様、リューネブルク!」
「シェーンコップか。貴様等ローゼンリッターが旗艦に突入して白兵戦を仕掛けてくることはハプスブルク元帥が既に予期しておられた。まあ、だからこそ俺がここに派遣されたんだがな」
「……そうか。ところで、あれは何なんだ?」
シェーンコップの視線の先では、痛装甲服を着た帝国軍兵士たちがローゼンリッターと死闘を繰り広げている。
その巫山戯《ふざけ》た装甲服とは裏腹に、戦闘力はかなり高い。
さらに、『ヒャッハー、汚物は消毒だー!』『リア充死ねー!』と大声で
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