第二章
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「築くことが出来ます」
「そうなのだな、ではだ」
「築かれますね」
「そうするのだ」
こう告げてだった。
エカチェリーナは空に浮かぶ巨大な岩、この世界で言う浮島の一つの上に城を築かせた。参考にしたのは言うまでもなくマグリットの絵であり。
城が完成するとすぐにその中に入りだ、廷臣達に言った。
「気に入った、では私は今後はだ」
「この城で暮らされますか」
「ここを宮殿とされますか」
「そうされますか」
「そしてだ」
そのうえでというのだ。
「モスクワの宮殿、エルミタージュもだ」
「宮殿とされますか」
「どちらも」
「そうして暮らされますか」
「そうしよう」
こう言ってだった。
エカチェリーナはモスクワのエルミタージュにその空に浮かぶ城も宮殿とした、そうしてこの世界で星の者として動いていったが。
ある日勢力は違い政治的には対立関係にある綾乃を空に浮かぶ自身の宮殿に招いた時に笑って話した。
「望みが適いましたわ」
「マグリットさんの絵そのままのお城に住めてるね」
「それが出来ていまして」
宮殿の一室から空を見つつ共にワインを飲みつつ話している。
「嬉しいですわ」
「世界がちゃうとそうしたこともあるね」
「はい、ですが実は」
ここでエカチェリーナはこんな話をした。
「実はエルミタージュにいる方がです」
「多いのん」
「遥かに。エルミタージュが九割で」
「ここが一割なん」
「暮している割合は」
「エルミタージュが圧倒的に多いね」
「こちらはお水が湧かないので」
「ああ、岩やから」
「湧き水がなく雨も乏しいので」
そうした場所だからだというのだ。
「暮らしにくいので」
「それでなん」
「はい、暮らすのは」
そこはというと。
「やはりです」
「地上がええね、確かに浮島は色々で」
綾乃もこの世界で暮らしているので浮島のことは知っている、それで言うのだ。
「仲には草木もお水もない」
「そうした浮島もありますわね」
「それでこの浮島もやね」
「やがて錬金術や科学の技術を用いて」
そうしてというのだ。
「お水が湧く様にして」
「それで草木も生きられる様にして」
「自然豊かな場所にと考えていますが」
「今はやね」
「我が勢力にはそこまでの技術がなくお金もです」
エカチェリーナはワインを飲みつつ苦笑いで話した。
「ありませんわ」
「それでやね」
「はい」
だからだというのだ。
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