第一章
[2]次話
花と果物
ドロテアは栗色の豊かな波かかった腰までの髪と森の如き緑の目に白い肌と楚々とした顔立ちの小柄な美貌の少女だった。
ドロテアはカッパドキアに生まれこの地でキリストの教えを信じていたが。
この地の総督は苦い顔でだ、周りに話した。
「皇帝のお考えは変わらぬ」
「キリスト教は認めない」
「決して」
「そうお考えですね」
「そうだ」
まさにというのだ。
「そのお考えだ、だからだ」
「この地のキリスト教徒達はですね」
「信仰を棄てさせますね」
「そうさせますね」
「そして棄てねばだ」
棄教しないならというのだ。
「その時はな」
「処刑ですね」
「そうしますね」
「キリスト教徒達は」
「あの者達は自分達の神のみを信仰している」
総督はキリスト教徒達のこのことを指摘した。
「そうであるからな」
「皇帝を認めないです」
「ローマ皇帝を」
「そして他の教えも認めません」
「決して」
「ユダヤ教の流れを汲んでいるからだ」
キリスト教はというのだ。
「その為にな」
「他の教えを認めず」
「あくまで自分達の教えのみを絶対とします」
「その教えを認めますと」
「帝国に深刻な軋轢が生まれます」
「だからだ」
そうなるからだというのだ。
「ローマとしては認められない」
「これは以前からです」
「それこそカリギュラ帝からのことです」
「彼等を認める訳にはいきません」
「皇帝も他の教えも認めないのですから」
「だからこの地でもだ」
カッパドキアでもとだ、総督は言った。
「同じだ」
「左様ですね」
「キリスト教徒達に棄教させます」
「そしてどうしても棄てぬなら」
「その時は」
「処刑だ」
そうすると言うのだった、そしてだった。
総督はカッパドキアのキリスト教徒達の信仰を棄てさせどうしてもというのなら処刑させた、そしてドロテアもだった。
信仰を棄てさせようと棄教させた女を二人彼女がいるビールを造っているカタコンベに行かせて説得させたが。
「何っ、逆にか」
「女達はキリスト教に戻りました」
「そうなりました」
「ドロテアに説得されて」
周りの者達はこの話に驚く総督達に話した。
「そしてです」
「ドロテアは健在です」
「強い信仰を持っています」
「こうなっては仕方ない」
総督は険しい顔になり最後の決断を下した。
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