第三章
[8]前話
「大変なことにならないか」
「DNAの解析をしてだね」
「そう、そして」
そのうえでというのだ。
「その中で思わない発見やアクシデントがあったりして」
「大変なことが起こる」
「こうしたことはやっぱり」
マイケルに真剣な顔で話した。
「神の摂理ですから」
「生きもののことはね」
「野菜や果物の遺伝子操作も議論がありますし」
「品種改良位ならいいがね」
「絶滅した生きものを復活させることは」
このことはというと。
「神の仕事であって」
「人間ではだね」
「素晴らしいことですが」
それでもというのだ。
「何かです」
「大変なことを引き起こす」
「それが具体的にどんなものかといいますと」
それはというと。
「はっきり言えないですが」
「それでもだね」
「そうも思うんで」
それ故にというのだ。
「どうもです」
「賛成でもだね」
「恐怖も感じて」
「結論は出ないんだ」
「絶滅は悲劇で回避すべきで」
そうしたものでというのだ。
「絶滅しても復活出来ますと」
「素晴らしいことだね」
「そう思いますが」
反対派のマイケルに言うのだった、やはり彼はそれは違うと思い結論は出ないながらもそう言ってよかった。
「しかしです」
「すべきとはだね」
「言い切れないです」
「そうなんだね」
「難しい問題ですよね」
化石にあるDNAを解析しそこから絶滅した生きものを復活させることはというのだ。
「本当に」
「全くだね、人類は凄い技術と学問に至ったけれど」
「問題に直面しましたね」
「神の摂理、その領分にも触れる様な」
「そうしたものにです」
「触れたよ、果たしてすべきかどうか」
「結論は出ないですね」
「簡単にはね」
マイケルは難しい顔で述べた、そして彼はそれからもこの問題について考えていった、反対派ではあるが。
結論は出ないままだった、それは彼だけでなく彼の父もワンもだった。彼等は誰も結論を出せないまま考えるばかりだった。
化石のDNA 完
2024・8・13
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