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したたる情熱
第一章

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                したたる情熱
 もうどうなってもいい、私は今そんな気持ちだ。
 兎に角バスケがしたい、朝も昼も晩も。だから部活に毎日出て自主練も行っていた。
 朝練も熱心にしていたし入部してからずっと汗をかいていた、そうしていると一年生でレギュラーになってだった。
 試合でも活躍出来た、周りは凄いと言うけれど私は兎に角バスケがしたかった。ただひたすらバスケが好きだった。
 それで朝から晩までバスケのことを考えて練習をしていた、高校はそれで推薦で入ってそこでもバスケ三昧だった。
 全国大会にも出てそこでも活躍した、すると大学からスカウトが来て推薦で入ることになった。その話を聞いた中学時代のクラスメイトで同じ大学に一般入試で合格した友人が家まで来て私に笑って言ってきた。
「まさか大学までバスケしてるなんてね」
「聞いてるわよね」
「聞いてるけれど凄いってね」
 私と一緒に紅茶を飲みつつ笑てt話した。
「思ってるわ」
「そうなの」
「もう純粋にね」
 それこそというのだ。
「凄いわよ」
「ずっとバスケやって大学にも行って」
「大学でも選手よね」
「レギュラー目指してるわ」
「頑張ってね、本当にバスケ好きなのね」
「ええ、もうバスケが出来たら」
 私は中学時代友人だった彼女に真剣な顔で答えた。
「それでね」
「いいのね」
「そう思ってるわ」
「そこまで思ってるのね」
「好きだから」
 もう全てと言っていい、私の。
「だからこれからもね」
「大学に入ってもやっていくのね」
「怪我をしても」
 それでもというのだ。
「例え再起不能って言われても」
「カムバックするのね」
「実際にそうした人いるし。若し手足がなくなっても」
 例えそうなろうともだ。
「私はやっていくわ」
「何があっても」
「本当にね」
 こう言って実際にだった。
 私は大学でもバスケに全てを注いだ、レギュラーになってそのうえで試合にも出続けた。だがそんな中で。
 試合中観客席に車椅子に乗ってバスケのボールを両手に持って観戦している男の子がいることに気付いた、それでだった。
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