第一章
[2]次話
忘れていた作品
どうしても思い出せなかった。
「どんな風だったかね」
「思い出せないのね」
「その作品はね」
OLの大熊由真は同僚の深沢唯に話した、由真は黒髪をポニーテールにしていて丸い顔で優しい和風の顔立ちで背は一五三程だ。唯はやや面長の明るい顔立ちで黒髪をソバージュにしている。背は一五〇程だ。二人共胸が大きい。
「思い出せないのよ」
「魯迅よね」
「そう、魯迅」
中国のこの作家の作品だというのだ。
「剣を打つ話ね」
「魯迅ってね」
唯は牛丼のチェーン店で一緒にカウンターで牛丼を食べる由真に話した。
「中国の問題点を書いた」
「そう言われてるわね」
「批判的にね」
「それで有名な人よね」
「ただね」
こうもだ、唯は由真に話した。
「怖いわよね」
「ホラーよね」
「社会派っていうか」
魯迅はというのだ。
「そうもね」
「読めるわよね」
「もうね」
それこそというのだ。
「中国文学史上に残る」
「ホラー作家よね」
「ポー並にね」
エドガー=アラン=ポーアメリカのこの作家と同じだけというのだ。
「怖いわよ」
「夢野久作とか江戸川乱歩みたいに」
「本当にね」
魯迅の作品はというのだ。
「怖いわよね」
「そうなのよね」
由真もまさにと頷いた。
「読んでいると」
「妖怪や幽霊出なくても」
「怖くてね」
「インパクト凄いわよね」
「半端じゃなくてね」
「だからね」
魯迅の作品はそうした作風だからだというのだ。
「怖い作品からね」
「その作品調べるといいの」
「ええと、剣を打つ話よね」
唯はその作品のタイトルを言った。
「そうよね」
「そう、その作品よ」
由真もそうだと答えた。
「読んだのはね」
「それでも思い出せないのは」
「そうなのよ」
「だったらね」
唯はそれならと返した。
「実際にね」
「怖い作品からなの」
「調べて」
「読んでみるのね」
「もう一度ね」
「そうしてみるわね」
由真はそれならと応えた。
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