第一章
[2]次話
ゲームで勝負
喧嘩は嫌いだ、切り合いもだ。
坂本龍馬は北辰一刀流免許皆伝でもそうした考えだった。
「幕府を倒してもぜよ」
「それは戦でなくか」
「そうぜよ」
今も陸援隊の中岡慎太郎に軍鶏鍋を食べつつ話していた、宿の中でそうして酒も飲んで楽しく話している。
「話し合いでのう」
「幕府を倒すべきか」
「わしはそう考えちょる」
「徴収や薩摩は江戸城を攻めるつもりじゃが」
「とんでもないことぜよ」
龍馬はすぐにこう返した。
「そんなことしたら江戸の街が滅茶苦茶になるぜよ」
「戦になるからのう」
「そうしたら皆大変ぜよ」
「江戸の人達がか」
「そして日本も傷付いて」
そうもなってというのだ。
「欧州の練習に付け込まれるぜよ」
「そのこともあってか」
「江戸城を攻めるより」
「話し合いでか」
「幕府を倒すことぜよ」
「出来るかのう」
中岡は龍馬の話を聞いて首を傾げさせた。
「果たして」
「出来るぜよ、勝さんと話して」
勝海舟、彼とというのだ。
「そうしてぜよ」
「ことを収めるべきか」
「西郷さんが話して」
志士の巨魁である彼と、というのだ。
「そうすべきぜよ」
「話し合いか」
「そうぜよ、あと人と人が揉めても」
その時もというのだ。
「話し合いでぜよ」
「わし等志士はよく切った張ったになるが」
「それは駄目ぜよ、どうしてもというのなら」
龍馬はさらに言った。
「試合、ゲームでぜよ」
「それでか」
「白黒つけるべきぜよ」
「そういえばおまんは剣道は」
「ははは、今は全くやっちょらん」
軍鶏鍋の肉を食べつつ笑って話した。
[2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ