第八十三話 回廊ひのきしんその六十七
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「神様は見ておられるから」
「神様がされることですか」
「そうよ、新一君だってそんなことされたら嫌でしょ」
「嫌なのがわかってるからです」
「全く、何でもするのね」
嫌いな人の嫌がることはです。
「本当に」
「そうした考えですが」
「止めなさいね、しかしね」
ここまでお話を聞いて思うことでした。
「新一君のその癖性分はね」
「これからもですね」
「何とかしていかないとね」
今回もこう思いました、そしてです。
私達は先輩と南の礼拝堂の前でお別れすることになりましたが先輩は三人でかんろだいにお辞儀をしてから言いました。
「また一緒に回廊ひのきしんしてくれる?」
「勿論ですよ」
先輩からのお誘いです、断る筈がありませんでした。
「宜しくお願いします」
「それじゃあね」
「新一君も一緒で」
「ええ、彼随分いさんでいたわね」
新一君も見て言われました。
「立派だったわ」
「そうなんですね」
新一君は相変わらず先輩を嫌っているのが丸わかりの態度でした。
「僕は先輩と一緒でしたら」
「いいのね」
「やっぱり貴女とお二人は大嫌いです」
ただ嫌いでなくです。
「その気持ちは簡単には変わらないです」
「そうなのね」
「ですが」
それでもというのです。
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