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ドリトル先生の長崎での出会い
第一幕その八

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「他のことは考えない」
「そんな人ばかりだね」
「そうなってね」
「その場所は駄目になるね」
「僕はいつも心の中で思っているよ」
 先生はきっとしたお顔のままさらに言いました。
「恥を恥と思わなくなったら」
「先生いつも言ってるね」
「うん、最も恐ろしい腐敗がはじまるってね」
「そう言っているね」
「平気で嘘を言ってどんな悪いことをしても平気な人が力を持って」
「周りにいい思いをしたいだけの人達が集まったら」
「その場所はね」
 最早というのです。
「最も恐ろしい腐敗の中にね」
「陥るね」
「そうならない為に選挙でもね」
「そんな人が出たら」
「絶対にだよ」
 それこそ何があってもというのです。
「投票をしたらだよ」
「駄目だね」
「王子の国も議会があって」
 先生は王子の国のお話もしました。
「選挙も行われているね」
「男女普通選挙がね」
「それならわかるね」
「うん、民主主義は間違えるとね」 
 王子は先生にそれこそと答えました。
「おかしな人達が出て来てね」
「大変なことになるね」
「そうした怖さもあるね」
「その中そんな怪物もいる」
「そのことも知ってだね」
「選挙で投票しないといけないし」
「僕も傍に置いては駄目だね」
「将来の国王としてね」
「そうしていくよ」
 王子は先生に約束しました、そうしたお話もしながらです。
 先生はこれまでの自分達やおぞましいまでの悪人のことを考えるのでした、そうして学校のご自身の研究室でいつも通り学問に励んでいますと。
「長崎からですか」
「先生に来て欲しいとです」
 大学の職員さんが先生にお話しました。
「お願いが来ています」
「あちらで学会があって」
「そしてです」
「僕にして欲しいことがあるんですね」
「そうです、宜しいでしょうか」
「僕でよければ」
 先生はにこりと笑って答えました。
「及ばずながら」
「お力を貸してくれますか」
「はい」
 大学の職員さんに答えました。
「学会に参加させてもらう傍ら」
「では宜しくお願いします」
「それでは」
 こうして先生は長崎であるお仕事をさせてもらうことになりました、動物の皆は職員さんが研究室を後にしてから思いました。
「何かしら」
「そうね、そのお仕事って」
「一体ね」
「後で詳しいお話があると思うけれど」
「長崎といってもね」
 それでもと言う先生でした。
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