第60話
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ヴァン達に対する皮肉を交えた助言をジスカール技術長にしたアルヴィスは去り際にヴァンの横に一旦立ち止まりヴァン達に忠告した。
「アンタらも、ヴェルヌ絡みらしいがあんまり怪しげな動きは慎めよ?」
「まあ、持ちつ持たれつ、上手い具合に棲み分けようや。」
「だ、だから胡乱なことをするなって言ってるんだ…………!」
「ああもう――――――それじゃあ失礼するわね。」
ヴァンの言葉に反論したアルヴィスに呆れたレジーナは話を打ち切らせてアルヴィスと共に立ち去った。
「もう…………ヴァンさん。せっかく助けてもらったのに。」
「ま、ギルドとはあのくらいの距離感が丁度いいからな。」
2人が去った後アニエスは困った表情でヴァンに指摘し、指摘されたヴァンはアニエスの指摘を軽く流した。
「…………改めて、先ほどは本当にありがとうございました。ああ――――――そういえば僕に何か用事があったんじゃ?」
「おお、そういやそうだった。」
「その、実は相談したいことが――――――」
そしてアニエスは自分達がカトルを訊ねた理由を説明した。
「理科大学の構内に…………確かにアニエスさん以外は無理ですね。とはいえ、僕にその権限はありません。相談なら――――――」
「ハッ、だったら話が早えやな。認証カードを出しな。」
事情を聞き終えた後答えたカトルが話の続きを口にしようとしたその時ジスカール技術長がカードを出すように促し、ジスカール技術長の言う通りヴァンがカードを出すとジスカール技術長が自身のザイファを操作した。するとカードのランクが”D”から”C”へと変更された。
「あ…………!カードの文字が変わりましたっ。」
「私と同じ”C"ランク…………これでみんなで理科大学に行けますね。」
「こりゃ助かるが――――――いいのかい?あのCEOに黙ってこんな事をして。」
カードのランクが変わった事にフェリが驚き、アニエスが明るい表情を浮かべている中ヴァンはジスカール技術長に確認した。
「バーゼル市は、例外の”総督府”を除けば理科大学と職人組合、ヴェルヌの3者が共同管理しててな。俺ァ職人組合の元締めもしてるからこの程度の権限はもともと持ってる。それに――――――”秘蔵っ子”を助けてもらったんだ。このくらの筋は通さなきゃバーゼル職人の名が廃るってもんだぜ。」
「親方…………」
「ハハ、そういうことなら有り難く使わせてもらうぜ。ちなみに参考までに聞きたいんだが上げられるのは”C"までなのかい?」
ジスカール技術長の気遣いにカトルが感謝している中ヴァンは苦笑した後ジスカール技術長にある確認をした。
「ワッハッハ、ちゃっかりした若造だ!解決事務所――――――いや
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