第60話
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「えと…………故障でしょうか?」
「いや、つい先日に交換されたばかりなんだ。それも――――――」
「一つだけじゃなく坑道全体で起きてるみたいだな。」
「あ…………」
「…………導力供給網からではない、自足式の導力灯のようですが。」
アーロンとフェリの疑問に答えたカトルの説明の続きを口にしたヴァンの話を聞いたアニエスは呆けた声を出し、リゼットは推測を口にした。
「ええ、ですからこんな挙動は本来有り得ないんです。いったいどうして――――――」
「離れろ!」
カトルが点滅している照明に近づきかけたその時地面から何かが現れる音に気づいたヴァンはカトルに警告した後、カトルの傍に現れた魔獣の攻撃から自分ごとカトルの身体を地面に崩れ落ちさせてカトルを守った。
「くっ…………!?」
カトルが思わず呻き声を上げるとヴァンとカトルを包囲するように魔獣達が地面から次々と現れた。
「残ってやがったか…………!」
「いけません―――――確固撃破を!」
「ちっ…………!」
「ヴァンさんっ!」
「BOW!」
ヴァンとカトルの危機にフェリが声を上げたその時、犬のような鳴き声が聞こえてきた後狼型のロボットが電光石火の速さで次々と魔獣達を攻撃した。
「…………!?」
「―――――”XEROS(ゼロス)”!」
予想外の援軍の登場にヴァンが驚いている中カトルは目を丸くして声を上げた。すると導力杖による導力弾が魔獣達に命中すると魔獣達の数体が撃破された。
「今よ、アルヴィス!」
「らあああああ――――――っ!よし――――――大丈夫か!?」
導力杖を持つ女性遊撃士の呼びかけに応えるかのようにアルヴィスは咆哮を上げながら残りの魔獣に止めを刺した後ヴァン達に声をかけた。
「旧首都から来られていた…………」
「はは、助かったぜ、準エース。」
「…………フン、平気そうだな。」
ヴァンに礼を言われたアルヴィスが鼻を鳴らすと、狼型のロボットがカトルに近づいた。
「…………XEROSもありがとう。駆け付けてくれて。」
「BOW。」
「わぁ…………黒い”狼”!?」
「オイオイ、なんでもアリかよ…………」
(――――なるほど、こちらでテスト研究されているという…………)
狼型のロボット――――――XEROSをフェリは興味ありげな様子で、アーロンが呆れた様子でそれぞれ見つめている中心当たりがあるリゼットは静かな表情で考え込んでいた。
「カトル、お前らも大丈夫か…………!?」
そこにジスカール技術長が技師達を連れてその場に現れた。
「親方…………」
「やれやれ…………これで一件落着だな。
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