第二章 ミッションEX : 肩にある傷
第十三話 通信が途絶えた。
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を自分の机に持っていく。
「ハァ……まずは書類整理からするかなぁ」
ワークフローの中に提督が必要なものと、そうでないものを分け、前者は彼女の机に戻して、後者は自分の机に残した。
海のように広く見えた書類が、二つのビルに様変わりしていく。
それでも量は多いのだが終わりが見える分、気が楽だ。
「……全く。本当に手の掛かる提督だ」
F/A18は黙々と、仕事に取り掛かった。
提督が目を覚ましたのは夕方であった。日は落ちて、空は薄いオレンジ色に染まっている。
執務室の窓から見えるその光景に、綺麗……と思った後に今の時間帯に気付き、提督は跳ね起きた。
「うっっっそ寝坊した!!?」
やらなきゃいけない仕事が沢山残っている筈だ。
そう思い部屋を見渡し……。
「……あれ? こんなにさっぱりしてたっけ」
海のように広がっていた、書類の束が無くなっていることに気付く。
自分の傍の床に毛布が落ちていること。先程自分が寝ていた所にある、ふわふわのタオル。
机の端に置かれた、前と比べて少ない書類の束。
そしてF/A18の机の上にある、整理された書類の山。
「まさか寝ている間に、F/A18が……?」
そういえば、そのF/A18の姿が見えない。
自分は大人だから耐えられたが、彼女はまだ子供である。
この量の仕事をこなし、疲労で倒れていてもおかしくない。
「……ッ!」
提督は立ち上がり、F/A18の机に向かう。その付近の床に彼の身体は見つからなかった。
安心すると同時に、どこにいるのか疑問符が浮かんだ。
ふと、提督はソファに目を向ける。
「あ」
「……」
そこには彼女が横になっていた。上下に規則よく動く胸から、ただ休んでいるだけだと分かる。
「すぅ……すぅ…すぅ」
「よかっっったぁ〜〜……!」
子を探す親鳥が子を見つけた時のように、提督は喜び、ゆっくりと近ずいて行った。
(可愛い寝顔だ)
F/A18のほっぺ、とても可愛い。同性だから、多分大丈夫。
ほっぺをぷに、と押してあげたいと思ってしまった。
人は好奇心には中々抗えない。提督はダメだと分かっていながらも
F/A18のほっぺに手を伸ばして、少し押してみた。
人肌の優しい温かさと、弾力。
なんだが、包み込まれるような感覚を、味わった。
────────────────────────
F/A18の瞼がゆっくり開かれ、その瞳に見つめられる。
「私の寝顔なんて見ても、別に楽しくないよぉ?……
寝坊だけに飽き足らず、人
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