暁 〜小説投稿サイト〜
星河の覇皇
第八十七部第五章 外の世界の動きを無視しその十九

[8]前話 [2]次話
「李氏朝鮮の両班ですね」
「今の韓国ですね」
「あの国の支配階級は」
 即ち貴族達はというのだ。
「身体を動かすことさえです」
「忌み嫌っていて」
「汗を流すことは避ける」
「そう考えていましたね」
「ですから」
 それ故にというのだ。
「身体も鍛えず」
「学問に励むならまだいいですが」
 本来は科挙を受ける階級であった、ただし科挙は設けられた目的は支配階級を門閥とさせず多くの者に門徒を開きそれを官僚とするものであったが李氏朝鮮の科挙は試験を受けられる階級を定めたことで科挙本来の目的が消えてしまっていた。
「しかしです」
「それでもですね」
「それよりも遥かに陰謀ばかりで」
「李氏朝鮮の歴史は内紛の歴史です」 
 アランソはこう答えた。
「権力闘争、両班のそればかりで」
「学問よりもですね」
「発展も何も幸せにしませんでした」
「そうでしたね」
「貴族としてです」
 アランソはこうも話した。
「あれは論外です」
「身体を鍛えず」
「陰謀しかなく」
 エウロパにも陰謀は存在している、政界もそうであることは言うまでもない。人がいれば陰謀もあるのが常だ。
「そしてです」
「民もですね」
「護ろうとしませんでした」
「搾取ですね」
 貴族はこの言葉を出した。
「よく連合が我々は平民をそうしていると」
「批判していますね」
「的外れな批判ですが」
「もっと言えば批判にもなっていない」
「そうしたものですが」
 それでもというのだ。
「その搾取がです」
「李氏朝鮮ではですね」
「実に酷く」
 エウロパでは領主になっている貴族、爵位を持っている者達はそれぞれの領地の税収の一部が宮廷費として出ている。それで生活しておりその予算に占める割合はそれぞれの領地の議会が定めるものである。領主はその決定に首長としてサインするだけだ。
 しかし李氏朝鮮はというと。
「好きなだけです」
「搾取し」
「虐げるだけでした」
「己を鍛えもせず」
「そうして民の上に居座り」
「搾取するだけでした」
 貴族も言った。
「ただひたすら」
「貴族として最低な部類であり」
 アランソはケーキを食べつつその甘さを味わうことなく述べた。
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ