第七百八十話 好色一代男その一
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好色一代男
フックはベンからその人物の話を聞いて呆れ返って言った。
「その人とんでもなさ過ぎるだろ」
「浮世ノ介さんはね」
「ああ、好色一代男の主人公はそんなのか」
「子供の頃から頭の中はそうしたことで一杯で」
そうであってというのだ。
「それでね」
「六十になってもか」
「そうでね」
「最後はハーレムに行ってか」
「女護ヶ島にね」
「それで終わりなんだな」
「それで六十過ぎても」
当時では高齢だがというのだ。
「女の人達とね」
「遊ぶんだな」
「ちなみに日本のお話だから」
それでというのだ。
「女の人だけでなく」
「男の人もか」
「百人単位でね」
それだけの数でというのだ。
「楽しんでいたよ」
「そのことも凄いな」
「そうしたお話なんだ」
「今のライトノベルでもそうはないな」
「そうしたゲームでもね」
ベンは所謂エロゲの話もした。
「そうはないよ」
「女の人は千人単位でな」
「男の人は百人単位」
「遊びまくってか」
「六十までそうして」
「最期はハーレムに行って終わりか」
「物凄いハッピーエンドだけれど」
ベンはそれでもと言った。
「普通は考えないね」
「色々おかしな作品だな」
「うん、そのおかしな作品をね」
それをというのだ。
「書いたのがね」
「井原西鶴さんか」
「そうなんだよ」
「天才だな」
フックは井原西鶴について真顔でこう評価した。
「冗談抜きでな」
「そんなお話書くなんてね」
「普通はな」
それこそというのだ。
「書けない、発想すらな」
「しないね」
「とにかく遊びまくるんだな」
「そうだよ、もうね」
「それでさらに遊びに行くか」
「それで展開があまりにも強烈で」
そう言うしかないものでというのだ。
「今も残ってるんだよ」
「千数百年経ってもか」
「そうだよ、こんな人生歩めないよね」
「俺も女の子好きだけれどな」
フックは食べつつ言った、今二人で学園の食堂で向かい合って天丼を食べていてその中で言うのだった。
「それでもな」
「無茶苦茶過ぎるね」
「女の人三千人以上でか」
「男の人七百人以上だったかな」
「物凄いな」
「在原業平さん一万数千人らしいけれどね」
「ああ、六歌仙のか」
フックもこの美貌で知られた歌人のことは知っていた。
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