第一章
[2]次話
予言なんて信じるな
「人類滅亡の序曲だ!」
「何かあったら言うよなあいつ」
大学生の大久保正治、丸い目で小さな頭と大きな耳を持つ黒髪を短くした彼は同じ学部の佐々木良助眼鏡をかけ真面目そうな外見でスポーツ刈りの彼に言った。大久保の背は一六八位で佐々木は彼より五センチ位高い。
「何かあるとな」
「箸が転がってもな」
「人類は滅亡する」
「もう話は聞いた」
佐々木も笑って言った。
「人類は滅亡する」
「本当に何でもな」
「人類は滅亡するってなるな」
「何があってもな」
「電波だよな」
「とびきり悪質な、そのベースがな」
大久保はさらに笑って話した。
「ノストラダムスだからな」
「あいつと愉快なお仲間共の中で絶対だよな」
「ノストラダムスはな」
「ノストラダムスの予言はな」
それはというと。
「絶対のものでな」
「聖書の言葉レベルか?」
「もっとだろ」
佐々木はこれまた笑って言った。
「もうな」
「あれより上か」
「それでな」
そうであってというのだ。
「それを疑うことはな」
「ないよな」
「一九九九年七月に」
この時にというのだ。
「もうな」
「人類は滅亡するな」
「絶対にな」
「そう言ってな」
大久保はここで自分のスマートフォンを出して佐々木に話した。
「今何時だよ」
「二〇二四年だよ」
「一九九九年から二十五年か」
「俺達生まれて二十年でな」
「二十五年か」
「人類まだ続いてるな」
「滅亡してないぞ」
その時にというのだ。
「こうしてな」
「色々問題あってもな」
「予言の本買ってな」
大久保はそうしてと話した。
「何年か経って読むとな」
「外れてるんだな」
「ほぼ全部な」
「そんなものだよな」
「それで何かあってからな」
それからというのだ。
「あれは予言されていたってな」
「言うんだな」
「地震でも戦争でもな」
「後で言うんだな」
「ノストラダムスの文章を適当に解釈してな」
そうしてというのだ。
「そのうえでな」
「そう言うんだな」
「後から言えばな」
予言されていたと、というのだ。
「通るんだよ」
「後出しジャンケンだな」
「そうだよ」
まさにというのだ。
「それでな」
「予言は通るんだな」
「天気予報と違うな」
「ああ、天気予報はな」
佐々木は即座に答えた。
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