第八十三話 回廊ひのきしんその六十六
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「こんな人達そしてこんな人達の行いも知りましたし」
「睨んで聞こえる様に言うの止めなさいね」
実際にそうしているので怒りました。
「それで嫌いになったのましになったのよね」
「幾分か」
「あまりそうは思えないかしら」
「いや、最初の頃よりましですよね」
「そう言われるとね」
それならです。
「最初憎しみ全開だったしね」
「本当に死ぬ程嫌いでしたから」
新一君の悪い癖性分が見事に出てです。
「もういなくなって欲しいとさえです」
「思っていたのね」
「はい」
そうだったというのです。
「僕も」
「それでずっと色々やってきたのね」
「あることないこと言い回ってました」
それも先輩達のそれぞれの所属の大教会の人達を見掛けるとです、嫌いな相手への嫌がらせには全力で行う子です。
「事実に事実でないことに尾ひれも付けて」
「つくづく陰湿ね」
「特にご実家の教会の人達には」
「先輩達のご実家での立場が悪くなるから」
「狙って」
「あのね、それやり過ぎとかじゃないから」
それこそです。
「完全に悪意じゃない」
「そうですよね」
「そうですよねじゃないわよ、酷いことしてると思ったら」
お話を聞いていてです。
「そこまで狙ってやってたのね」
「三人全員に対して」
「それで先輩達を困らせるつもりだったのね」
「報い受けさせようと」
「それは新一君がすることじゃないでしょ」
りっぷくして言いました。
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