41:心の死
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ているのではないか……!?
違うっ……!
お父さんは、言ってたじゃないか! 人は信じあえると!
お母さんが、抱きしめてくれたじゃないか! あの温かさを忘れたのか!?
――……なら、今の、ボクの目の前の光景はなんだ?
「ち、ちがっ……だれかっ、たすけっ……」
ボクは……足元から、真っ暗闇に吸い込まれるかのような、尋常ではない不安に襲われた。
――寒い……!
「おねがい……誰かっ……!」
寒い。苦しい。悲しい。冷たい。冷たいっ……!
この世に生まれてから……今まで信じてきた、ものが……こ、壊れっ……――
「――だれか助けてぇぇえええっ……!!!!」
自分を抱きかかえながら叫ぶ。
その酷く嗄れてしまった、喉を引き裂くような嘆願の声は。
辺りのプレイヤーが一斉に退き……嫌悪の目を一層集めるだけだった。
……………。
……………。
……………。
そして。
ルビーが死んでから、三日目の午前0時。
真夜中、寝静まって誰も居なくなった、転移門広場の中央。
その場でずっとうずくまっていたボクの手の中で。
《ルビーの心》が、微かに残っていた光と温もりが消えるとともに。
《ルビーの形見》に変わったと同時に――
――ボクの《心》も死んだ。
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