第四十六話 鯨を食べてその一
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第四十六話 鯨を食べて
夜空はサラダとスープそして鯨のステーキにベーコンという晩ご飯を用意した、その晩ご飯を前にしてだった。
佐京は微笑んでだ、こう言った。
「鯨なんだね、俺好きなんだ」
「白華ちゃんから聞いたけれど」
「うん、ステーキもベーコンも好きで」
今目の前にあるどちらの料理もというのだ。
「お刺身もさらし鯨もなんだ」
「好きなのね」
「鯨なら何でもね」
それこそというのだ。
「好きだよ」
「そこまで好きなのね」
「もっと食べたいね」
「安くなったらね」
夜空は笑顔で応えた。
「今日は半額だったからね」
「食べられるんだね」
「じゃあ皆で食べましょう」
「それじゃあね」
「サラダもスープもあるし」
夜空は他の料理の話もした。
「デザートには苺もあるから」
「俺苺も好きだよ」
「そうなのね」
「嬉しいね、じゃあ今晩も楽しんで」
「食べましょう」
「そうしようね」
笑顔で話してそうしてだった。
一家全員でいただきますをしてから食べはじめた、その中で幸雄は真昼から兄よりも、という話を聞いてこう言った。
「そうです、人のレベルは年齢では決まりません」
「そうですよね」
「どれだけのことを経験したり学んだか」
「それで決まりますか」
「兄だから、姉だからといって」
それでというのだ。
「何もです」
「決まらないですね」
「駄目な人は何をやっても駄目ではないですが」
「それはないですね」
「この言葉は努力の否定であり」
それに他ならずというのだ。
「言う人こそです」
「駄目ですね」
「最初は誰も何も出来ません」
「そこから努力してですね」
「出来ます、そして兄弟姉妹ではです」
「決まらないですね」
「そうです、優劣は努力であり」
それで決まるものであってというのだ。
「年齢でも決まりません」
「よく年の功っていいますけれど」
「それだけです」
「経験を積んでいるということですね」
「ですから例えば五十年生きていても」
真昼に話した。
「その八条学園でも八条グループでもあまりにも有名な」
「あの人はですね」
「全くです」
「どうにもならない人ですね」
「はい」
まさにというのだ。
「今お幾つか知らないですが何でも五十まで」
「結構なお歳ですね」
「碌に働かずふんぞり返ってばかりで」
「図々しくですね」
「誰かの為に何もせず」
「感謝もしなかったので」
「ですから」
そうであるからだというのだ。
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