第六章 贖罪の炎赤石
第二話 姉妹
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つけるような視線で名前を聞くエレオノール。噛み付いてくるのではないかと心配になるほどの目つきで名前を聞いてくるエレオノールに、内心苦笑いを浮かべながらも士郎は答えた。
「……衛宮士郎だ」
「……エミヤ……シロウ……」
胸を抑えながら、噛み砕くように士郎の名前を呟くエレオノールに声を掛けることなく、士郎は顔を前に戻し歩き出した。
士郎の姿が見えなくなると、エレオノールは腕を顔に近づけていった。
そして、ふんふんと腕……服が微かに纏う匂いを嗅ぎ出す。
「……変な……匂い……」
服が纏う香りは……自分の匂いではなかった。
それは、士郎の匂い……。
バーガンディ伯爵が付けていたコロンの匂いとも違う……もっと野性で男性的な匂い……嗅いでると……変な気分になっていく。
「エミヤ……シロウ……か」
可愛いなんて……初めて言われた……。
あんな風に男の人に抱きしめられたのも……。
乱暴な言葉使いをされたことも……。
そして、それが特に不快じゃないことも……
服に鼻を押し付けながら、エレオノールはスゥーっと息を吸いながら目を瞑り……
「……何よ……もう……変な……気分……」
口元に……小さくも柔らかな笑みを浮かべた……。
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