第二章
[8]前話
「許されません」
「だからですか」
「はい」
それでというのだ。
「彼は貴方に謝罪しなければなりません」
「そうなのですか」
「誰もが行為に責任を伴いますので」
「絶対にですか」
「絶対にです」
まさにという返事だった。
「ですから」
「そうですか、では」
「はい、マードック君謝罪するんだ」
「申し訳ありませんでした」
「その謝罪確かに受けたよ」
ガナーは真剣な顔で受けた。
「これ以上は求めない」
「わかりました」
「では君は暫く謹慎してもらう」
校長はまたマードックに告げた。
「反省文も書いてもらう、そして反省するんだ」
「そうします」
マードックは動けない身体で答えた、そしてだった。
この話は終わった、訳ではなかった。
ガナーは後日どうしても気になりマードックが通っているハイスクールに行った、そして彼を見るとだった。
車椅子で動く彼を周りは馬鹿にしものすら投げた、背中には彼がガナーに言った差別発言が書かれた紙があり。
苦い顔でだ、ガナーは後で知人に話した。
「まさかだったよ」
「君を侮辱した人もなんてね」
「しかも私より酷い」
「症状の若い子とはだね」
「想像もしなかった」
こう言うのだった。
「とてもね」
「そうだったね」
「だからね」
それでというのだ。
「今回のことはこれ以上ないまでに苦い」
「そうした経験だったね」
「そうだったよ」
こう言うのだった。
「絶対に忘れられないよ」
「ハンデがある人がハンデのある人を差別する」
「あってはならないことだよ」
「ハンデがなくてもだしね」
「そう、人間はね」
ガナーは苦い顔のまま話した。
「そうした面がある、彼もまた差別されていて」
「そして差別する」
「それも人間だよ、よくわかったよ」
「人間がだね」
「その醜い面がね、しかし」
それでもとだ、ガナーは言った。
「その醜い面を知ったからこそ」
「だからだね」
「そうした面を持たない様にして」
「そしてだね」
「生きていくよ」
「そうするんだね」
「人間としてね」
こう友人に話した、そしてだった。
ガナーは自分の言葉通りに生きていった、人間の醜い一面彼が見たものを忘れないで。そうしていったのだった。
小人症を馬鹿にした人 完
2024・12・21
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