第8章
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全部取りに行くぞ」
花梨の名前が呼ばれなかった。花梨のほうを見ると口を噛み締めるようにして、下を向いていたのだ。どうしてぇーとコーチを見ても涼しい顔をしているのだ。監督は花梨にエースになれって言ってたじゃぁない! 解散しても、私は花梨にどう声を掛けて良いのかわからなかった。だけど、響先輩が花梨を連れ出していたみたい。
「なぁ 若葉 どう思う?」
「う〜ん ウチもわからんのやー でも、さっきの試合 迫力無かったなー いつもと違った 香 一緒に練習してたやんかー なんか・・・」
「そーやね いつものキレが無かったかなー 球が浮いたことが多かった 昨日の若葉との試合から・・・調子 悪いんやろな アレが来たんかな」と、呑気なことを言っていた。
私達3人で入浴して、夕食の時に花梨が揃った。以外とすっきりとした顔をしていたのだ。最終日なので、食卓にはワンプレートでなくて、近江鶏という甘辛のとんちゃん焼きにサラダ、ビワマスのお造りと鮎の南蛮漬け、きのこと春キャベツのお味噌汁と合宿にしては、割と豪華なのだ。
「う〜ん このとんちゃん焼き 柔らかくて、歯ごたえもあって美味しい!」と、普段の花梨に戻っていた。落ち込んでいるんじゃぁないかと心配するほどでも無かったのだ。私も香と「この ビワマス? 脂も乗っていて美味しいネ 初めて」と、話し合っていて花梨のことも忘れていたのだ。
そして、次の日、合宿所を離れる時、響先輩が私と若葉を呼び寄せて
「あなた達は、実力的に言っても相手を上回ってるのよ いい? 水澄はアホやから、若葉がコントロールするのよ でないと、この子 調子に乗ってどんどん打ち込んでいくからー 今 あなた達の本当の実力を見せたら、全中までに競争相手から研究されるからネ」
「わかりました」と、若葉は言ってたけど
「先輩ぃー 私はアホですか?」
「ふふっ 言葉のアヤよっ! 花梨は成長したけど、あなたはまだ無鉄砲に相手に向かっていくのよ 少しは成長してるけど 水澄は卓球バカよ まぁ、試合 頑張ってネ」
対校試合は我がチームは調子が良くって、5-0で圧倒的勝利を収めていた。その帰りの電車の中で花梨が
「みんな 心配させたと思うけど・・・ウチは落ち込んでへんでーぇ 響先輩が気付いていたんやー ウチ 無理し過ぎたんか、右の足首が痛かってん たいしたこと無いと思ってたんやけど 響先輩が 今 無理して、引きずったらどうするのよーって あなたは全中に向けてエースになるんでしょって それより、メンバーの試合を離れてじっくり観察しなさいっても だから、監督にも忠告したって そらぁー メンバーの発表を聞いた時はショックやったでー でも、響先輩に諭されてな スッキリしたんや」
「そーやったんやー でも
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