第二章
[8]前話
「あんたNGOに誘われて」
「中東行ってね」
「八条グループのそれで戦災に遭った人達を助けるのよね」
「暫くね、この病院に籍を入れたまま」
「この病院八条グループが運営していて」
世界的な企業グループであるこのグループがというのだ。
「八条グループって慈善事業もよくしていて」
「その中でね」
「あんた行くのね」
「医師と看護士両方の資格持っているから」
岡本は自分からこのことを言った。
「ああしたところは何かと大変で」
「人でも足りないわね」
「だから両方の資格を持っている僕はね」
「是非にっていう人材ね」
「だからね」
その為にというのだ。
「スカウトされたんだ」
「そうよね」
「だから頑張って来るよ」
「戦場に行くのね」
「後方だから」
「巻き込まれるでしょ」
「そこはグループ全体で気を付けてくれるよ」
八条グループがというのだ。
「運営しているね」
「スキーの怪我じゃ済まないわよ」
真弓は鋭い目のまま言った。
「はっきり言ってね」
「戦争のことだしね」
「それでも行くのね」
「それで傷付いた人達を助けてくるよ」
「相手は子供でも平気で攻撃する連中でね」
「沢山の子供も傷付いているね」
岡本もこのことを言った。
「だからこそね」
「行くのね」
「そうしてくるよ」
こう言ってだった、岡本は中東に行った。真弓はその彼を空港で見送って後は定期的に安否を確認したが。
数年経って無事戻って来た彼は幾分やつれていた、だがその背中にはっきりとしたオーラを見て彼に言った。
「何かとあって成長したわね」
「看護士として働いてね」
「医師としてもで」
「毎日忙しかったよ」
「けれど両方で大勢の人を助けたわね」
岡本にこのことを言った。
「そうね」
「救えなかった命があると言えばね」
「こうした仕事だとね」
「どうしてもだね」
「それ以上は言えないわ、けれど二つのお仕事でね」
医療のそれでというのだ。
「いいことが出来た、それならね」
「いいって言えるね」
「そう思うわ、ずっと何で看護士もって思っていたけれど」
「今は違うかな」
「そう思うわ、心からね」
岡本自身に笑顔で言った、そして一緒に飲みに行った時に積もる話をした。そうして飲む酒には実に深いものが感じられた。
医者でもあり看護士でもあり 完
2024・12・20
[8]前話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ