ラッキーは無罪
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を動かす。
視線の先は激突してきた武蔵の輸送艦の方。
そこに乗っているのは、武蔵の副会長と姫とその手に持っているのは
「悲嘆の怠惰!」
ある意味で、大罪武装として一番シンプルで強力な悲嘆。
それの上位駆動を放とうとしている。
射線は空いているし、ここにいる武蔵の副長達は自力で何とか出来るだろうという判断を持っているからだろう。
どちらも気にしていない。
というか、気にする気がないのかもしれない。二人とも何だか物凄い楽しそうな顔で武器を振り回しているので、正直関わり合いたくない。
武蔵はあんな危険人物が大量にいるのだろうか。
そんなのに世界征服などされたらいろいろと困ると結構真剣に考えて、声を上げる。
「フーさん! 出番よ!」
正純の視界にまた新しい人物が見えた。
艦橋屋上に烏帽子型の帽子を頭に乗せ、眼鏡をかけた女性が立っていた。
誰だという疑問が、自分の中の知識にアクセスして、立っている人物の正体を口に出して確認する。
「三征西班牙アルカラ・デ・エナレスの副会長のフアナか……!」
「八大竜王の一人と言わなかっただけ、マシと返しましょう」
落ち着いた知的な声を姿からイメージされた声にぴったしだな、とどうでもいいことを思いながら、しかし、視線は違うものを見た。
それは、ファナの手に握られている長剣である。
奇怪な剣であった。
白と黒のまるで、骨でできたような表装を持つ巨大な武装。
それと似たような武装を私は知っている。
今、恐らく持ち主を除いて、一番近い所に私はいるのだから。
「大罪武装か!」
「Tes.嫌気の怠惰。既に展開済みです」
余りにもぞっとするような事実を平淡な声で語られたから、逆に冷静になれたが、やはり、焦りの感情が混ざってしまう。
……不味い……!
こんな状況での切り札としては間違いなく最上の切り札である。
効果はどうなるかは解らないし、効果範囲も解らない。
ただ、今までの例だけで見てきたのは教皇総長の淫蕩の御身とこの悲嘆の怠惰。
どちらにも当てはまる例と言うならば、通常駆動は対人能力であり
上位駆動は対軍能力だ……!
そして、ここにいるのは集団。
そうでなければ、切り札たり得ない。
故にそれは起きた。
「くっ……!」
胸部を圧迫される圧力に覚悟を持っていなかった正純は息が一瞬詰まる。
その圧迫に瞬間的想像で死をイメージしてしまい、ぞっとしたが、数秒経って、それ以上締め付けられない事に気づき、ようやく胸元を見る。
青白い光の輪が、束縛するみたいに胸部に装着されている。
見れば、周りの皆も同じらし
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